2002 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテマトーデス患者末梢血リンパ球グルココルチコイド受容体の解析
Project/Area Number |
14570430
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
深沢 徹 順天堂大学, 医学部, 講師 (30301500)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / ステロイド治療抵抗性 / グルココルチコイド受容体多型 |
Research Abstract |
背景:SLEにおいてステロイド薬は最も頻用される治療薬であるが、臨床的には一部の症例にステロイド治療抵抗群が存在する。 日的:ステロイド薬は標的細胞の細胞内受容体であるGRに結合してその作用を発現する。今回我々は、SLEにおけるGRの多型性とステロイド抵抗性との関連を明らかにすることにより、治療の反応性をあらかじめ推測することが可能となり、各患者に適したオーダーメイド医療に役立てることを目的とする。 方法:SLE患者101例および健常コントロール52例よりgenomic DNAを抽出し、GRのligand binding domainを構成しているexon7,8にプライマーを設定しPCRを行い、direct sequence法によりGRの遺伝子多型を解析した。次にSLE患者各々の治療内容や病態、検査データと、検出された多型との関連性の検討を行った。 結果:1.exon8に位置する2166C>Tのsingle nucleotide polymorphism(SNP)を検出した。 2.2166C>TのCT genotypeの発現頻度は、コントロールに比べSLE患者で有意に高かった。 3.検出したSNPと既知のいくつかのGR多型との連鎖不平衡を検討したが、関連性は認められなかった。 4.2166 CT genotypeの発現頻度とSLEの病態(腎症、CNSループス、漿膜炎の有無)や免疫学的データ(低補体価、抗dsDNA抗体陽性、抗Sm抗体陽性)との関連性を検討したところ、CNSループルを発症した例と、抗Sm抗体陽性例において、CTgenotypeの発現頻度が有意に高かった。 結論:我々は、SLEに有意に発現頻度の高いGRのligand binding domainのSNPを検出し、さらにいくつかのSLEの病態との有意な関連性を見出した。現在、検出されたSNPとSLE患者のステロイド治療抵抗性との関連について検討中である。
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