2002 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌でのPI3Kシグナル伝達の解析とPR39アナログによるPI3Kp85標的治療
Project/Area Number |
14570439
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
藤本 佳範 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90292127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡 二郎 旭川医科大学, 医学部, 助手 (10311531)
大竹 孝明 旭川医科大学, 医学部, 助手
高後 裕 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10133183)
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Keywords | 内因性抗菌ペプチド / 標的治療 / 肝癌 |
Research Abstract |
PR-39はブタの小腸粘膜から精製されたprolineに富む内因性の抗菌ペプチドであるが,抗菌作用に加えてproteoglycan型接着分子であるsyndecanの発現を誘導したり,また,白血球のp47phoxのSH3(Scr homology 3)domainに結合しNADPH oxidaseの活性を抑さえることやシグナル伝達分子であるP130CasのSH3 domainに結合しその局在を変えることも報告され多機能を有していることがわかった.我々はsyndecan familyのひとつであるsyndecan-1が肝細胞癌において転移抑制因子として働いていることを報告し(Int J Cancer 74:482-491,1997),PR-39遺伝子の肝癌細胞への導入がsyndecan-1を誘導し,その浸潤・転移を抑制し,さらにactin disorganizationを引き起こし細胞形態を変化させることを明らかにした(Brit J Cancer 81:393-403,1999).さらに,我々は,activated k-rasでtransformしたmouse NIH3T3細胞においてPR-39遺伝子の導入がactin構築を変化させるとと,細胞増殖を抑制すること,MAP kinase活性を低下させること,およびPR-39がPI3 kinase p85aに結合することを明らかにした(Jpn J Cancer Res 92:959-967,2001).PR-39遺伝子導入肝癌細胞におけるPI3 kinase活性はコントロールに比べて低下しており,PR-39がPI3 kinase p85aに結合することによりPI3 kinase活性が低下していると考えられた.
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