2002 Fiscal Year Annual Research Report
Ischemic preconditioningによる虚血再潅流障害からの肝保護
Project/Area Number |
14570452
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 雅裕 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60271566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳瀬 幹雄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50334397)
富谷 智明 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90227637)
池田 均 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80202422)
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Keywords | 虚血再潅流障害 / ischemic preconditioning / 肝移植 |
Research Abstract |
短時間の臓器虚血と再灌流は、その後の長時間の虚血/再潅流後に生じる臓器障害を軽減する。この現象は、ischemic preconditioning(IP)と呼ばれる。肝においても、ラットモデルで、IPは保存/再潅流に起因する類洞内皮細胞障害、及びKupffer細胞の活性化を抑制し、肝移植後のレシピエントの生存率を改善することが知られている。IPの効果は、数時間で消失するが、24-48時間後に再出現し、数日間持続する後期効果を有することが、心臓において報告されている。この後期効果が示す心保護作用は多彩であり、持続時間も長いことから、臨床応用の有用性が高いと考えられる。そこで肝においても、IPが後期効果を有するか否か、有するのであれば、そのメカニズムを見出し、臨床応用の道を探ることを目的とし本研究を計画した。まず、温虚血再灌流障害に対し、IPが後期効果を示すか否かを検討した。ラット肝動脈及び門脈を30分、60分ないし90分遮断。血流再開後に生じる障害の程度を、肝細胞障害は血中ALT、LDH活性、類洞内皮細胞障害は血中Hyarulonic acid、Kupffer細胞活性化は血中TNFαを測定することで経時的に評価した。その結果、障害評価に適する、虚血時間の長さ、評価のタイミングを決定した。次に、IPが温虚血再灌流障害に対し、抑制作用を有することを確認した。現在、IPの障害抑制作用に後期効果が存在するか否かを、IP施行から温虚血再灌流障害誘発までの時間を変えて、検討している。
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Research Products
(1 results)