2002 Fiscal Year Annual Research Report
移植肝に対する免疫寛容誘導を目指した新しい調節性T細胞移入療法の開発
Project/Area Number |
14570455
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
市田 隆文 新潟大学, 医学部附属病院, 助教授 (00126509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 久実 琉球大学, 遺伝子実験センター, 教授 (50143756)
松田 康伸 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (40334669)
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Keywords | 免疫制御性T細胞 / 免疫寛容 / 肝移植 / 細胞移入療法 |
Research Abstract |
アロ抗原に対するT細胞反応を抑制する免疫制御性CD4^+CD25^+T細胞の誘導を目指して行なったこれまでの基礎的研究においては,次のように制御性T細胞の誘導及びその機能解析を行った. 1.インフォームドコンセントを得た上で提供されたレシピエント末梢血からCD4陽性細胞をマグネットカラムで分離後,それらを一定濃度のTGF-β(Transforming growth factor-β)存在下にて目標とするドナーアロ抗原刺激を行うことにより,CD4陽性細胞中の調節性T細胞分画であるCD25(IL-2レセプターα鎖)陽性分画の誘導が確認された. 2.その機能に関しては,レシピエントナイーブT細胞との二次混合培養にてドナーアロ抗原刺激に対する細胞傷害性T細胞分化の抑制作用が,フローサイトメトリーによる表面マーカー,細胞分裂,細胞周期の解析,及び^<51>Cr release assayによる同一のアロ個体より得られたConA芽球に対する細胞傷害活性の測定により確認された. 3.制御性T細胞の誘導作用が報告されているIL-10を使用し,TGF-βとの比較検討を行ったが,IL-10ではCD4^+CD25^+ 細胞の誘導はむしろ低下すると考えられる結果が得られており,TGF-βとの併用でも有用性は確認できなかった. また,ヒト末梢血より未成熟な樹状細胞を調整し,CD4陽性細胞との共培養により制御性T細胞の誘導を試みているが十分な検討は終了できず,今後も継続して検討する予定である.その検討も含め,制御性T細胞の誘導条件を決定した上で,マウスを用いたin vivoにおける作用確認を行いたいと計画している.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Uehara K, et al.: "Systemic administration of liposome-encapsulated OK-432 Prolongs the survival of rats with hepatocellular carcinoma through the induction of IFN-γ-producing hepatic lymphocytes"J. Gastroenterol. Hepatol.. 17(1). 81-90 (2002)
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[Publications] 楊 秀華, 他8名: "肝細胞癌周囲非癌部に増加するCD4陽性CD25陽性T細胞の解析"消化器と免疫. (印刷中). (2003)