2002 Fiscal Year Annual Research Report
TRAILの機能を中心とした大腸癌における宿主免疫回避機構の解明
Project/Area Number |
14570460
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
白木 克哉 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90263003)
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Keywords | TRAIL / 大腸癌 / 免疫 |
Research Abstract |
TRAILは正常細胞をアポトーシスに誘導することなく、種々の癌細胞をアポトーシスに誘導できるとされている。TRAILレセプターにはR1-R4の4種類が同定されており、R1とR2は細胞内にdeath domainを有し、アポトーシスを誘導できる。R3とR4は細胞内にdeath domainを持たない為アポトーシスを誘導せず、decoy receptorとしてアポトーシス抑制に働く。癌細胞ではR1とR2の発現が多く、正常細胞ではR3とR4の発現が多い為、腫瘍選択的にアポトーシスを誘導できるとされている。そこで我々はまずヒト大腸癌細胞(HT-29,LS180,SK-CO-1)でのTRAILレセプターの発現を検討した。4種類のTRAILレセプター全ての発現(TRAIL-R1からTRAIL-R4まで)を大腸癌細胞に認めた。次に大腸癌細胞のTRAIL感受性の検討を行った。TRAIL 100ng/ml投与24時間後の大腸癌細胞の生存率は83±3.1%(HT-29),90±4.3%(LS180),88±6.3%(SK-CO-1)であり、大腸癌細胞は相対的にTRAIL耐性であると考えられた。また、TRAIL投与によるNF-κB活性化についても検討を行ったが、TRAIL投与によるNF-κB活性化は大腸癌細胞全体で一定の傾向はなく、細胞により異なると考えられた。 次に大腸癌でのTRAIL発現による宿主活性化リンパ球のアポトーシス誘導と免疫回避機構との関連を検討した。ヒト大腸癌細胞におけるTRAILの発現を、Western blottingとRT-PCR法にて確認した。大腸癌細胞に発現したTRAILが機能的であるかどうか今後の研究にて確認する予定である。
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