2003 Fiscal Year Annual Research Report
プロトポルフィリン症の発症におけるエピジェネティクスと環境要因に関する研究
Project/Area Number |
14570470
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
前田 直人 鳥取大学, 医学部, 講師 (60284006)
|
Keywords | 骨髄性プロトポルフィリン症 / 遺伝子解析 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
1)あらたに肝障害を合併発症した本邦EPP2症例の末梢血から抽出したgenomic DNAを用いてFECH遺伝子をPCR法により増幅し、オートシークエンサーにて変異部位の解析を行なった.その結果、今回の症例1(W県在住)では欠失変異でかつヘテロ異常が認められた.この症例ではFECH遺伝子エクソン7の751番目から755番目に5塩基の欠失変異が認められた(751-755delGAGA).症例2(F県在住)ではエクソン9にpolymorphismが認められたもののアミノ酸レベルでの置換はなく、異常蛋白を引き起こす変異としては認められなかった.この症例ではさらに鋭敏なスクリーニング法とされるGDDE analysisを試みたが遺伝子異常はみられなかった. 2)変異が酵素活性にどのような影響をもたらすかを検討するため、同定しえたFECH遺伝子変異(751-755delGAGA)について、部位特異的突然変異誘発法により大腸菌に異常FECH蛋白を発現させ、その酵素活性をHPLC法で測定したところ酵素活性の低下を示した.したがって、欠失変異によるフレームシフトによりFECH活性が障害されたものと推定された. 3)SSCPによる家族内健康保因者発掘のための簡便なアッセイ系を確立し、同意が得られたW県症例の家系について同胞の解析を行った結果、家系内健康保因者(父、妹)を同定しえた. 4)W県症例につき、FECH IVS 1領域と5'上流プロモーター領域を中心に、SNPsの有無をシークエンス解析にて、およびCpGアイランドのメチル化の有無をbisulfite-PCR法にて解析したところ、解析対象者すべてにおいて5'上流プロモーター領域の転写因子結合部位に異常を認めなかったが、発症者においてはCpGアイランドの一部にメチル化が認められた.このことにより、メチル化による転写活性の低下が示唆された.
|
Research Products
(1 results)