2004 Fiscal Year Annual Research Report
家族性大腸腺腫症における新たな生殖細胞遺伝子変異の同定
Project/Area Number |
14570476
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飯田 三雄 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00127961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 主之 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (10278955)
江崎 幹宏 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (50335957)
矢田 親一朗 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00346800)
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Keywords | 家族性大腸腺腫症 / APC遺伝子 / MUTHY遺伝子 |
Research Abstract |
前年度より開始した家族性大腸腺腫症(FAP)におけるMUTYH遺伝子の解析をすすめた.すなわち、インフォームドコンセントを得た48家系60例(男性30例,女性30例)のFAP患者の末梢血単核球からgenomic DNAを分離し、MUTYH遺伝子の全エクソンについてPCR-SSCP法およびdirect sequence法で遺伝子変異の有無を解析した.また、遺伝子変異と本症の消化管,および消化管外病変との関係を検討した.その結果、MUTYH遺伝子にP18L、G25D、G272Q、A359V、H324Qのミスセンス変異が確認された.ミスセンス変異としてH324Qが最も高率であったが、wild type群とヘテロないしホモ変異群で臨床症状に差を認めなかった.しかし、G272QおよびA359Vのホモ認めた患者はAPC遺伝子変異を伴わない大腸腺腫で、十二指腸腺腫や消化管外病変を認めなかったが、異時性多発胃癌を合併していた.また、P18LとG25Dの二つのヘテロ変異をもつcompound heteroを有した患者は、APC遺伝子変異陰性かつ散在型大腸腺腫症で、大腸外徴候に欠如していた.以上より、MUTYH遺伝子はFAPの疾患修飾遺伝子ではないが、そのホモ変異によりFAPを発症することが確認できた.すなわち、MUTYH遺伝子はAPC遺伝子変異陰性FAPの原因遺伝子と考えられ、さらにMUTYH遺伝子ホモ変異による大腸腺腫症とAPC遺伝子変異による大腸腺腫症では大腸外徴候が異なる可能性が示唆された.
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Research Products
(2 results)