2004 Fiscal Year Annual Research Report
消化管上皮細胞の分化と癌化に伴う分化関連抗原の発現に関する免疫組織学的研究
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14570499
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
岡田 良雄 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (30213953)
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Keywords | 消化管 / 発生 / 分化 / Cdx1 / Cdx2 / Musashi 1 / ランゲルハンス島 / 免疫組織染色 |
Research Abstract |
1.消化管上皮細胞のin situにおける発生分化過程の観察に利用できる抗体の作成を試みた。ホメオティック遺伝子産物Cdx1、Cdx2をホルマリン固定標本中で免疫組織学的に同定するために必要なモノクローナル抗体をオリゴペプタイドを免疫抗原に用いて樹立した。さらに、幹細胞の非対称生分裂に関わり、幹細胞の細胞マーカーである可能性が指摘されているMusashi 1に対するモノクローナル抗体の樹立を試みた。 2.胎生期ラット消化管におけるCdx1、Cdx2の発現分布を検討した。Cdx1、Cdx2の発現は胎生13日齢以降の腸管上皮細胞核に限局して認められた。腸管非上皮細胞、胃、膵・膵管、肝臓・胆管には発現が認められなかった。Cdx2は腸管前半部に強い発現が見られ、肛門側に近づくにしたがって発現が低下していた。一方、Cdx1は逆に腸管後半部で発現が強く、前半部では弱かった。胎生期から誕生数日までの小腸絨毛、大腸陰窩には陰窩絨毛軸に沿うCdx1、Cdx2の発現に明瞭な差違はなかった。 3.大腸陰窩底部上皮幹細胞におけるMusashi 1の発現が報告されている。Musashi 1のアミノ酸配列で、異なる2カ所の配列ペプチドに対する抗体を作成したが大腸陰窩上皮細胞に陽性シグナルを認めることはできなかった。しかし、胎生期膵臓のランゲルハンス島内分泌細胞に特異的陽性シグナルを認めた。今後、膵ランゲルハンス島の成熟に伴う発現変化、インスリン、グルカゴン産生との関連、膵内分泌細胞の分化に関わるとされるPax4、Pdx1発現との関連などの検討が必要である。
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Research Products
(2 results)