2002 Fiscal Year Annual Research Report
アンギオポエチン・Tie受容体系を介した肝類洞再構築の調節機構
Project/Area Number |
14570504
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
松井 淳 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (40260484)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲生 実枝 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70286037)
持田 智 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20219968)
|
Keywords | アンギオポエチン / Tie-2 / 星細胞 / 類洞内皮細胞 / KUPFFER細胞 |
Research Abstract |
正常肝より単離した肝構成細胞では、TIE-2 mRNAの発現は星細胞と類洞内皮細胞に認められた。一方、アンギオポエチン-1及び2のmRNA発現は星細胞、類洞内皮細胞のみならずKupffer細胞にも観察された。70%部分切除ラット肝における肝構成細胞の増殖とアンギオポエチン及びその受容体TIE-2発現の推移を検討したところ、アンギオポエチン-1のmRNA発現は肝部分切除後早期から亢進し、類洞の再構築が生じる168時間後にはアンギオポエチン-2やTIE-2の発現も高度になった。四塩化炭素を投与するとアンギオポエチン-1のmRNA発現は1日後には10倍増強し、7日後には一旦消失したが、14日目には正常肝と同等の発現が観察された。一方、アンギオポエチン-2のmRNA発現も1日後には出現し、これは2日目まで持続した後に消失した。なお、四塩化炭素投与1〜2日後に単離した活性化macrophage及び星細胞は、正常肝由来のKupffer細胞や星細胞より両アンギオポエチンのmRNA発現が高度であった。一方、TIE-2のmRNA発現はアンギオポエチン-2と同様に1日後から出現し、2日目まで持続した後に消失した。この時期に単離した活性化星細胞はTIE-2 mRNAを発現していた。TIE-2 mRNAは7日後に発現が再度観察され、その後消失した。なお、部分切除肝および四塩化炭素投与肝において、両アンギオポエチンとTIE-2の免疫組織染色を施行したところ、類洞壁細胞に沿った染色性が観察された。
|