2002 Fiscal Year Annual Research Report
潰瘍性大腸炎における粘膜上皮再生障害機序に関する分子生物学的検討
Project/Area Number |
14570513
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中村 哲夫 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00221458)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / Reg 1-α / DSS腸炎 |
Research Abstract |
ヒトのReg 1-α cDNAをプローブとして129純系マウスのgenomic DNA libraryより12kb.p.のマウスReg 1-α genomic DNAをクローニングした。マウスReg 1-α genomic DNAは6exon,5intronからなり、exon1のPstI siteからexon4のEcoRI siteまでをpGK-Neo geneに欠失置換したノックアウトconstructを作製した。Negative Selectionカセットとして、ジフテリアトキン(DT)カセットを導入したノックアウトconstructを作成した。このノックアウトconstructをマウスES細胞(AB2.2)にエレクトロポレーション法により遺伝子導入し、相同組み換えをおこしたES細胞のスクリーニングを行った。ES細胞のスクリーニングには、ノックアウトconstructのleft armの外側800b.p.のHind IIIフラグメントをプローブとしたサザンブロット法を用いた。以上によりReg 1-αノックアウトマウスを樹立した。遺伝的背景の違いによる実験への影響を排除するために、BALB/CマウスとBack CrossしBALB/CバックグラウンドのReg 1-αノックアウトマウスを作製した。BALB/Cマウス(Ct)とノックアウトマウス(KO)で3%Dextran sodium sulphate(DSS)飲水1W後、1W休薬のサイクルを3クールにてDSS腸炎を起こしその経過を比較した。3クール終了後の腸炎活動性スコアはCt平均6点、KO平均10点で、Ctではその後次第に再生を伴う腸炎の治癒が見られたのに対して、KOでは治癒が遷延し障害腸粘膜に再生も殆どみられず、Reg 1-αが障害腸粘膜の再生治癒に重要な分子である事が証明された。現在、Reg 1-αの腸再生上皮におけるシグナル伝達に関して生化学的検討を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Tsukada, T.Nakamura et al.: "Cytokine profile in Colonic Mucosa of Ulcerative Colitis Correlates with Disease Activity and Response to GCAP"Am. J. Gastroenterology. 97. 2820-2828 (2002)
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[Publications] N.Yamagish, T.Nakamura et al.: "Clinical and Colonic investigation of skipped periappendiceal lesions in ulcerative Colitis"Scand. J. Gastroenterology. 37(2). 177-182 (2002)