2003 Fiscal Year Annual Research Report
クローン病における抗サイトカイン療法と腸管線維化に関する研究
Project/Area Number |
14570522
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
有沢 富康 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (50273230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 真 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (50267936)
高濱 和也 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (70247641)
中野 浩 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80097732)
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Keywords | クローン病 / 抗TNF療法 / 線維化 |
Research Abstract |
クローン病に対し、抗TNF療法が有効であることが認められ、現在臨床の場において広く使用されてきている。確かに急性期の炎症を抑える効果に関してはその有効性はCRPの低下を見ても明らかであるが、慢性炎症、特に腸管の線維化に関する知見に関してはほとんど理解されていない。実際、臨床の場では抗TNF療法により腸管狭窄が急速に進展する症例が報告されてきている。 我々は抗TNF療法を施行した7例に対し、線維化に対する影響を調べた。治療前、および4週後に大腸内視鏡検査を施行、生検組織を得た。一部はDMEM 1mL中で24時間37℃で器官培養し、培養上清中に放出される可溶性コラーゲン量をELISA法で定量し、生検組織の蛋白量で補正した。また、一部は生検後ただちに凍結保存し、mRNAを抽出後RT-PCR法にてMMP-1、3、12、TGF-β、TIMP-I、-IIの発現を調べた。その結果、可溶性コラーゲン量は抗TNF治療後に有意な減少を認めたが、MMP-1、TIMP-I、IIの発現はRT-PCR法では検出できず、TGF-βの発現は治療前後で有意な差は認めなかった。MMP-3はわずかに発現が低下するようであるが確認中である。 以上の結果よりクローン病の病勢に伴いコラーゲンの産生量は低下するが、抗TNF治療に特有な現象か否かは不明である。また、そのとき、MMP-1、TIMP-I、IIの関与は少ないと考えられた。
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