2004 Fiscal Year Annual Research Report
肝硬変症に伴なう食道・胃静脈瘤発生機序の分子生物学的アプローチと治療の試み
Project/Area Number |
14570529
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
早田 哲郎 福岡大学, 病院, 講師 (30289532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 昌典 福岡大学, 病院・助手 (20341448)
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Keywords | VEGF / 肝硬変 / 門脈圧亢進症 / 腹水 / 急性肝障害 / マウス / 劇症肝炎 / VEGF遺伝子型 |
Research Abstract |
肝硬変における血管内皮増殖因子(VEGF)の役割について、今年度は以下の研究を行ってきた。 肝硬変における腹水発生の主な機序は、低アルブミン血症による血管透過性亢進であるが、著明な低アルブミン血症があるにもかかわらず、腹水貯留がない肝硬変患者ではVEGF遺伝子のmutantが多い傾向にあった。また難治性腹水患者の中にはmutationは1人もなかった。このVEGFは血管透過性を亢進させる因子でもあり、VEGF遺伝子のmutationは血清アルブミン値などとともに、肝硬変患者における腹水貯留の危険因子であることがわかった。 一方、VEGFは抗アポトーシス作用などを有しており、細胞障害を防御する働きもある。抗Fas抗体投与により作成したマウス急性肝炎モデルにおいて、VEGF投与は肝細胞のアポトーシス抑制を介して、肝障害を軽減した。その機序においては類洞内皮細胞が重要な働きをしており、類洞内皮細胞からのHGF放出が関与することがわかった。 またヒトの急性肝障害についても、VEGF遺伝子型はその予後と関連することを明らかにした。すなわちVEGF遺伝子型は、急性肝炎重症型あるいは劇症肝炎の予後の予測因子となりうると考えられた。
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