2002 Fiscal Year Annual Research Report
肺気腫発症におけるアポトーシスの関与とその制御についての研究
Project/Area Number |
14570539
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
笠原 靖紀 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (60343092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒須 克志 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20291106)
巽 浩一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10207061)
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Keywords | COPD / 肺気腫 / 喫煙 / VEGF / アポトーシス / マウス / caspase-3 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
喫煙が肺気腫の重要なrisk factorであることはよく知られているが、どのようなメカニズムで肺気腫が発症するかはまだ不明な点が多い。私達はラットにVEGF receptor-2特異的阻害薬であるSU5416を3週間投与して、慢性的にVEGFシグナル伝達を阻害すると、血管内皮細胞にアポトーシスがおき、引き続き肺胞上皮細胞にもアポトーシスがおきて、肺胞が消失して気腫化がおきることを示した。VEGF系シグナル伝達は正常な肺胞構造の維持に必須であると考えた。 今回、喫煙曝露による肺気腫発症のメカニズムにどのようにVEGFが関連しているかを調べた。私達は、喫煙吸入実験装置(MIPSレスピー製INH06-CIGR01型)を用いて、マウスに長期喫煙曝露をおこなった。マウスに1日タバコ20本吸入を24週間おこない、肺組織を形態学的解析、病理組織学的検討(アポトーシス関連染色としてTUNEL染色・Acitivate Caspase-3染色)、肺組織のホモジナイズによるアッセイ(Caspase-3酵素アッセイ、VEGF)、気管支肺胞洗浄液の解析を行った。形態学的解析の結果mean linear interceptはコントロールマウスと比べて喫煙マウスでは拡大しており、気腫化をおこしていることが認められた(53.8±5.9μm vs. 40.7±2.7μm, P<0.01)。肺組織のホモジナイズ中のVEGF量は、コントロールマウスと比べて喫煙マウスでは減少していた(150.9士10.6pg/mg vs. 196.4±6.5pg/mg, P<0.01)。VEGFの減少が肺気腫の発症のメカニズムに関与していると思われた。
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