2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570560
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
山内 広平 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (20200579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 正人 愛媛大学, 医学部, 講師 (00325367)
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Keywords | CTGF / asthma / remodeling / transferrin / airway |
Research Abstract |
我々はヒトCTGF cDNAよりリコンビナントCTGFを作成して、直接気道組織へのCTGFの作用を調べた。このためCTGFとトランスフェリン(TF)とのキメラ蛋白を作成し、TF受容体を介した気道組織へのCTGFの移行を促進させる方法を試みた。気道へのアデノウイルスベクター等を用いた遺伝子導入は発現効率が極めて低いため、エンハンサーを併用し、TF受容体を介した物質の組織浸透効率が向上しており、気道組織へのCTGF蛋白の浸透を調べた。 結果;1)InvitrogenのpcDNA3.1に組み込んだヒトCTGFcDNAを用いて、さらにビオチンキャリアープロテイン(BCCP)を融合させ、pETシリーズ(pET29-b)を用いてHistidine tag蛋白として大腸菌に発現させ、ニッケルカラムで精製しリコンビナントCTGF蛋白を作成した。 2)ヒト胎児肺線維芽細胞株及びマウス線維芽細胞株を培養して作製したリコンビナントCTGFの効果をべた。リコンビナントCTGFは上記培養細胞に有意な増殖反応を誘導することをMTTアッセイにて用量応答曲線で示した。 3)上記作製キメラ蛋白のマウス気道組織への移入を行った。BALB/cマウスの頸部を正中切開し、気管を露出してキメラ蛋白を10μl注入し、12,24,48,72時間の時間経過で気管、肺組織して、免疫染色による組織中蛋白の局在と経時的な組織変化を解析した。結果は組織中の蛋白の局在は確認されたが、組織変化を確認できず、加えて肺組織中のα1プロコラーゲンmRNAレベル及びコラーゲン量に変化が見られなかった。 考察;本研究で作製したCTGFとトランスフェリンのキメラ蛋白の気道内投与により、同蛋白の気道組織内への浸透は確認されたが組織変化は誘導されなかった。組織変化が誘導されなかった原因として、キメラ蛋白の組織内への浸透率が低く、加えてエンハンサーによる浸透率の増加が得られなかったたため、組織内CTGF濃度が内因性のレベルを超えるまで上がらなかったためと推測される。
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[Publications] Pan LH et al.: "Pulmonary Lymphangioleiomyomatosis"Tohoku J Exp. 199. 119-126 (2003)
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[Publications] Pan LH et al.: "Neoplastic cells and proliferating endothelial cells express CTGF in glioblastoma"Neurol Res. 24. 677-683 (2002)
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[Publications] Wu DN et al.: "Effects of esophageal acid perfusion on cough responsiveness in patients with bronchial asthma"Chest. 122. 505-509 (2002)
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[Publications] Iwaki S et al.: "Real-time monitoring of histamine released from rat basophilic leukemia (RBL-2H3) cells with Histamine microsensor"Anal Biochem. 304. 236-243 (2002)