2002 Fiscal Year Annual Research Report
肺組織浸潤T細胞を用いた膠原病性間質性肺炎の分子病理学的解析
Project/Area Number |
14570561
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
武田 昭 獨協医科大学, 医学部, 講師 (90155002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 康次 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00254996)
沼尾 利郎 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60172748)
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Keywords | 間質性肺炎 / 膠原病 / T細胞 |
Research Abstract |
膠原病とりわけ皮膚筋炎・多発性筋炎における間質性肺炎の発現は、疾患の予後を左右する重要な臓器病変であるが、その発症機序は不明であり、治療手段も慣例的な治療域に留まっている。本研究では、病変組織局所におけるT細胞-cytokine系を軸とする免疫機構を分子免疫学的手法を用いて詳細に分析し、本疾患の発症におけるT細胞の役割と障害のメカニズムを明らかにし、肺生検から得られる免疫学的情報に基づいて的確な治療指針を確立することを主眼とした。今年度は、比較的発症初期と考えられる間質性肺炎の発症を認めた多発性筋炎症例について、胸腔鏡下(VATS)肺生検により採取した肺組織を用い、病理学的診断、免疫組織学的検討、ならびにT細胞受容体可変領域の解析をおこなった。間質性肺炎の組織型はUIPならびにNSIPであった。肺病変部位には、集簇するリンパ球集団とりわけCD4+T細胞の優位的浸潤が認められ、さらに、T細胞受容体(TCR)のα鎖ならびにβ鎖の可変領域の解析により、限られた特定のrepertoireの頻用が認められ、かつ末梢血におけるT細胞受容体repertoireのそれとの間に明らかな差異を認めた。これらの結果は、膠原病性間質性肺炎の病態形成において、臓器選択的なT細胞のoligoclonalな増生がおこり自己反応性T細胞として本病態発症メカニズムの中心的役割を担っている可能性を強く示唆する所見である。われわれは、すでに肺病変組織より多数のT細胞クローンを樹立しており、これを用いて、今後、さらに対応抗原の同定に向けて解明を進める予定である。
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Research Products
(1 results)