2003 Fiscal Year Annual Research Report
β_2受容体刺激誘起性気道粘膜リモデリングにおける細胞内シグナルの解明
Project/Area Number |
14570566
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
玉置 淳 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60147395)
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Keywords | β2刺戟薬 / β2受容体 / 気道リモデリング / 気道上皮細胞 / サイトカイン / 上皮成長因子 / サルブタモール / 喘息 |
Research Abstract |
1.気管支培養細胞の増殖反応(I vitro):ヒト気管支上皮の細胞株(16-HBE細胞)を種々の濃度のサルブタモールの存在下で最長72時間まで培養し,タンパク合成とDNA合成を測定した.その結果,刺激群では[3H]-thymidineと[3H]-leucineの取り込みがいずれも著明に増加した.また,これらの反応は選択的β受容体ブロッカー(ICI-118551)の添加により消失した. 2.ERKの活性化の評価(In vitro):ERKの活性化を,免疫細胞化学とWestern blotにて評価したところ,サルブタモール群ではリン酸化ERK(活性型)の蛋白発現が誘導され,またNorthern blotにおいてはリン酸化ERKmRNAの発現が観察された.この結果は,培養上清中のERK活性の測定によっても確認された. 3.アダプター分子の会合(In vitro):EGFRとGrb2関連タンパクのイムノブロット解析を行い,サルブタモール刺激によるEGFRおよびShcの発現が認められた.また,その効果は[GlU52]Diphtheria toxinにより抑制されたこと。より,アダプター分子の会合におけるHB-EGFの関与が示唆された. 4.HB-EGFのsheddingとmetalloproteinase(Invitro) 上記の仮説をさらに検証するため,ERKリン酸化に対する[Glu52]Diphtheria toxinの効果を検討した.その結果,本ブロッカーはサルブタモールによるリン酸化ERKの発現を強力に抑制した.また,サルブタモールは細胞上清中のmetalloproteinase活性を上昇させ,土その効果は1,10-phenanthrolineによって消失した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 玉置淳: "気道分泌の分子病態"最新医学. 58. 325-330 (2003)
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[Publications] 玉置淳: "上皮細胞における上気道と下気道の共通点と相違点"アレルギー科. 15. 180-186 (2003)
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[Publications] 玉置淳: "気道分泌および粘液線毛輸送能の病態生理"JOHNS. 19. 787-792 (2003)
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[Publications] 玉置淳: "気道分泌とMUC遺伝子"呼吸. 23. 1056-1061 (2003)