2003 Fiscal Year Annual Research Report
AGE(最終糖化産物)とOxoaldehydesの脊髄運動ニューロン死への関与
Project/Area Number |
14570574
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊地 誠志 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10271660)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 最終糖化産物 / 分子生物学 / ユビキチン・プロテアソーム系 |
Research Abstract |
<目的> 筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis : ALS)は進行性に全身の筋萎縮と筋力低下を来たす致死性疾患である.大部分は孤発型で原因不明なため有効な治療法はなく,病態解明が急務である.近年,病理学的に残存ニューロンに細胞内封入体が認められることから,細胞内の異常な蛋白蓄積が病態に重要な役割をもつと考えられている,蓄積した蛋白は翻訳後修飾の変化を伴う.最終糖化産物(AGE : advanced glycation endoproduct)はALS患者の剖検脊髄運動ニューロン内に認められ(昨年度報告),重要な翻訳後修飾のひとつである.In vitroの運動ニューロン変性モデルを用いて,AGEの運動ニューロンにもたらす作用を検討する. <方法> A.ALS患者剖検脊髄と対照群を各種AGE抗体で免疫組織染色し検討. B.新生仔ラット脊髄から取り出した脊髄腰膨大部を器官培養(スライスカルチャー)し長期培養系を確立する.この系の蛋白分解経路を遮断し,蛋白蓄積糖化反応を初めとした翻訳後修飾の変化や運動ニューロンの生存を評価する. C.ALS患者脳脊髄液,血液内のAGE測定 <現在までの成果> A.昨年度報告 B.スライスカルチャーをプロテアソーム阻害剤(ラクタシスチン)に暴露すると後角の構造は保たれるが,前角運動ニューロンの特異的脱落がみられた.これを運動ニューロン障害のモデルとして検討した.残存ニューロンには封入体は見られず免疫組織染色ではSOD-1の異常蓄積も見られなかった.今後,更に各種AGE抗体による検討を加える. C.試料収集中
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Research Products
(1 results)