2003 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアゾームからみたLewy小体形成とドーパミンニューロン死の関係
Project/Area Number |
14570591
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
澤田 秀幸 京都大学, 医学研究科, 助手 (30335260)
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Keywords | パーキンソン病 / ドーパミン / プロテアソーム / ミトコンドリア / ニューロン死 / Lewy小体 |
Research Abstract |
パーキンソン病におけるドーパミンニューロン死について,ミトコンドリア複合体I活性低下とプロテアソーム活性との関連に重点をおいて検討した。ミトコンドリア複合体I阻害薬として,1-methyl-4-phenylpyridinium ion (MPP^+)およびrotenoneを用いて,プロテアソーム活性を測定したところ、低用量でプロテアソーム活性が増大した。ついでドーパミンニューロン死とプロテアソーム活性との関係を検討したところ,プロテアソーム活性が増大する条件ではドーパミンニューロン死が促進され,活性が低下した条件ではドーパミンニューロン死が抑制され,ミトコンドリア複合体Iの活性低下が神経細胞死を引き起こす機序の一つがプロテアソーム活性の増大であることが示された。プロテアソーム活性を抑制した条件ではドーパミンニューロン内にユビキチン陽性,αシヌクレイン陽性封入体が形成され,この点からは封入体形成とドーパミンニューロン死はプロテアソーム活性の点で対極的な現象である可能性が示された。また,ドーパミン合成酵素であるチロシン水酸化酵素を阻害するとrotenone誘発ドーパミンニューロン死が阻害されること,プロテアソーム活性の増大を抑制されることも示された。これらの点より,ミトコンドリア複合体I活性低下によるプロテアソーム活性増大には,ドーパミンニューロンに含有されたドーパミンが関与していることが推定された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sawada H: "Estradiol protects dopaminergic neurons in a MPP^+ Parkinson's disease model"Neuropharmacology. 42・8. 1056-1064 (2002)
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[Publications] Kihara T: "Protective effect of dopamine D2 agonists in cortical neurons via the phosphatidylinositol 3 kinase cascade"Journal of Neuroscience Research. 70・3. 274-282 (2002)
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[Publications] Sawada H: "Estrogens and Parkinson's Disease : Novel approach for neuroprotection"Endocrine. 21・1. 77-79 (2003)
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[Publications] Shimohama S: "Disease model : Parkinson's disease"Trends in Molecular Medicine. 9・8. 360-365 (2003)
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[Publications] Sakka N: "Dopamine is involved in selectivity of dopaminergic neuronal death by rotenone"Neuroreport. 14・18. 2425-2428 (2003)
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[Publications] Sawada H: "Proteasome mediates dopaminergic neuronal degeneration, and its inhibition causes α-synuclein inclusions"Journal of Biological Chemistry. 279・11. 10710-10719 (2004)