2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患脳の封入体形成におけるSeptinの意義
Project/Area Number |
14570592
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
冨本 秀和 京都大学, 医学研究科, 助手 (80324648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋口 一郎 龍谷大学, 健康管理センター, 所長 (30115779)
野田 亮 京都大学, 医学研究科, 教授 (30146708)
北山 仁志 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30231286)
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Keywords | synphilin-1 / プロテアゾーム / septin / H5 / αシヌクレイン / Lewy小体 / glial cytoplasmic inclusion(GCI) / 黒質 |
Research Abstract |
前回までの報告で、H5とαシヌクレインが免疫沈降法で相互作用すること、H5はプロテアゾーム阻害剤lactacystinの存在下でユビキチン化され凝集することを報告した。さらに、H5の凝集とユビキチン化は変異型αシヌクレイン(A30P)導入細胞で高率で、synphilinがこの過程を促進することから、変異型αシヌクレインとH5、synphilinの3者の相互作用が細胞死に関与する可能性を示した。 Lewy小体の出現頻度はパーキンソン病の各病期を通して一定の傾向がなく、重症度と相関しないことが知られている。いっぽう、黒質の色素神経細胞密度は進行例で低下するが、神経細胞死とαシヌクレイン、H5、synphilinそれぞれの局在関連、および黒質神経細胞の細胞死がどの時期に最も活発に起こっているのかは不明である。以上の観点から、当研究室に保存されているパーキンソン病および多系統萎縮症の剖検脳で、αシヌクレイン、H5、synphilinの局在を免疫組織化学的に検索した。パーキンソン病の各病期についてLewy小体におけるαシヌクレイン、H5、synphilinの標識頻度を調べたところHoehn-Yahr分類3の比較的軽症例および4-5の重症例いずれにおいても3者の蛋白の発現を認めたが、発現頻度と重症度に一定の傾向を認めなかった。さらに、いずれの蛋白も細胞内、細胞外Lewy(extracelular Lewy)に共通して分布していた。いっぽう、多系統萎縮症の病理マーカーと考えられるglial cytoplasmic inclusion(GCI)でもαシヌクレイン、H5、synphilinは免疫反応陽性であり、3者の相互作用がパーキンソン病に限らず、他の神経変性疾患における細胞死でも関与している可能性が示された。
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Research Products
(6 results)