2002 Fiscal Year Annual Research Report
Ullrich病におけるVI型コラーゲン欠損に関する病理学的及び遺伝子学的研究
Project/Area Number |
14570611
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
樋口 逸郎 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (80183573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
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Keywords | Ullrich病 / 細胞外マトリックス / collagen VI / myosin heavy chain / fibronectin |
Research Abstract |
Ullrich病の病態を明らかにするため、細胞外マトリックス及び筋膜の構成成分に対する各種モノクローナル抗体、さらに筋再生関連蛋白に対するモノクローナル抗体を用いて免疫組織化学的に検索した。その結果、collagen IVの発現は他疾患に比べUllrich病の2症例で増強していた。一方collagen VIの発現は他疾患では結合織の増殖に伴い増強していたが、Ullrich病の2症例においては結合織の増殖が著明であるにもかかわらず、全く染色されなかった。生検皮膚や培養皮膚線維芽細胞においても、collagen VIはUllrich病特異的に欠損していた。さらにUllrich病においては再生線維のマーカとされているdesminやNCAMは強く発現していたが、developmental myosin heavy chainの発現は弱くneonatal myosin heavy chainは他疾患に比べてより小径の筋線維のみに発現が限局していた。Ullrich病の電子顕微鏡所見で筋形質膜は過伸展し、襞状に変化している部位が存在した。また、基底膜の肥厚、増殖が認められた。さらにUllrich病の皮膚および培養線維芽細胞においてfibronectin受容体の発現が著明に低下していることを明らかにした。これはcollagen VIの欠損が細胞接着にも影響を及ぼすことを患者の標本で証明した初めてのものであり、現在詳細に検討中である。Ullrich病一例の遺伝子解析にて、collagen VIα2遺伝子のframeshift mutationが認められ、その下流にストップコドンが出現していることが判明したが、第二例目ではcollagen VIα1遺伝子およびcollagen VIα2遺伝子は正常であり、現在collagen VIα3遺伝子の解析を続行中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Niiyama T: "Electron microscopic abnormalities of skeletal muscle in patients with collagen VI deficiency in Ullrich's disease"Acta Neuropathol. 104(1). 67-71 (2002)
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[Publications] Hu J: "Fibronectin receptor reduction in skin and fibroblasts of patients with Ullrich's disease"Muscle Nerve. 26(5). 696-701 (2002)