2004 Fiscal Year Annual Research Report
Ischemic preconditioningの分子機構の解明
Project/Area Number |
14570635
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
竹石 恭知 山形大学, 医学部, 助教授 (40272067)
|
Keywords | signal transduction / BMK1 / fatty acid metabolism / MAP kinase / ischemic preconditioning / hypertrophy / protein kinase C / toll-like receptor |
Research Abstract |
α-myosin heavy chainプロモータを用いて、BMK1の上流に存在しBMK1を直接活性化するMEK5を、心筋にのみ選択的に過剰発現したトランスジェニックマウス(MEK5-TG)を作成した。マウスの心臓を摘出し、ランゲンドルフ法で冠動脈を逆行性に灌流し、左室内圧とその一次微分値(dP/dt)を測定した。虚血後の左室内圧とdP/dtの回復は、野生型マウスに比較しMEK5-TGマウスでは速やかであった。MEK5-BMK1が心筋虚血に対して心筋保護的に作用することが示唆された。Ischemic preconditioningの新しい分子機序としてのBMK1の役割が明らかになった。 Ischemic preconditionと心肥大形成に重要な役割を演じている細胞内シグナル伝達分子にprotein kinase C(PKC)がある。Diacyglycerol kinase(DGK)は細胞内diacyglycerol(DAG)濃度を制御することでPKC活性を調節していると考えられている。心筋細胞にエンドセリン-1を添加すると、DGKζ遺伝子発現が増加した。低酸素刺激ではDGKζの発現に変化を認めなかった。PKCにより活性化される転写因子AP-1遺伝子の下流にレポーターとしてルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだプラスミドを心筋細胞に導入した。そしてDGKζの機能を検討するため、DGKζ遺伝子を心筋細胞にトランスフェクションした。DGKζとAP-1を導入した心筋細胞を、エンドセリン-1で刺激しルシフェラーゼアッセイを行った。エンドセリンによる転写因子AP-1の活性化は、DGKζ遺伝子により抑制された。この結果から、DGKζが心筋細胞においてPKC活性を調節している可能性が示唆された。
|