2002 Fiscal Year Annual Research Report
心筋炎、拡張型心筋症の遺伝子発現とplasmidを用いた遺伝子治療の基礎的検討
Project/Area Number |
14570645
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
塙 晴雄 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (40282983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 公則 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (00303165)
小玉 誠 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10242447)
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Keywords | 心筋炎 / 拡張型心筋症 / 遺伝子発現 / アンジオテンシン / オステオポンチン / サイトカイン / 遺伝子治療 / プラスミド |
Research Abstract |
1、自己免疫性心筋炎の経過における心臓局所の遺伝子発現の検討 ブタ心筋ミオシンを完全フロイントアジュバントと共に混和後、Lewisラットに皮下注射し、自己免疫性心筋炎ラットを作成した。心筋炎の心臓から抽出した総RNA5μgからcDNAを合成し、44種類の遺伝子について、Light Cyclerを用いてmRNAコピー数の絶対量を測定した。α-ミオシン重鎖は発症後24.7倍減少し、一方β-ミオシン重鎖は4.6倍増加し、絶対量も逆転していた。ANP、BNPは発症早期から急激に増加し、それぞれ73倍、6.9倍と増加していた。AT1受容体・アンジオテンシン変換酵素,エンドセリンIは発症早期あるいは極期にそれぞれ48.5倍,6.4倍、9.9倍増加していたが、アルドステロン受容体は1.42倍減少し、またアルドステロン合成酵素は正常では検出できず、発症により軽度発現がみられた。IL-2、INF-γは早期に11.8倍、43.2倍増加し、IL-10はそれより後にピークとなり、398倍増加していた。しかしそれらサイトカインの発現量は軽度であった。MCP-1は発症により127倍増加し、サイトカインに比して発現量は100-5000倍多かった。細胞外基質の3型コラーゲン、フィブロネクチンは発症により57.9倍、66.6倍増加し、極期の発現量は、心筋収縮蛋白、カルシウム結合蛋白に匹敵するものもあった。特にオステオポンチンは心筋炎早期に4570倍増加し、発現量は心筋炎早期に測定した中で最も多かった。 2、Plasmidを用いた遺伝子導入法の検討 ラットの尾静脈からplasmidを急速に静注することによって肝細胞に遺伝子導入が可能となり、高濃度の血中濃度を保つことができる。
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[Publications] Hanawa H: "Time course of gene expression in rat experimental autoimmune myocarditis"Clin Sci. 103. 623-632 (2002)
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[Publications] Maruyama H: "High-level expression of naked DNA delivered to rat liver via tail vein injection"J Gene Med. 4. 333-341 (2002)