2002 Fiscal Year Annual Research Report
カルニチン代謝異常と心筋の脂質系シグナル伝達機構の研究
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14570655
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥村 健二 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40262901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 元 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
小川 恭弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
松井 英夫 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (00324434)
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Keywords | 心肥大 / エネルギー産生障害 / カルシニューリン / FK506 / カルニチン欠損症 |
Research Abstract |
エネルギー産生障害で心肥大が起こることが知られているが,その擁序は不明である。近年,カルシニュ-リン経路の活性化により心肥大が起こることが明らかにされ、圧負荷心肥大モデルにおいてもカルシニューリン経路の関与が報告された。そこで、全身性カルニチン欠損症モデルであるJVSマウスを用い、脂肪酸酸化障害による心肥大とカルシニューリン経路の関連を検討した。JVS/コントロールマウスを用い、4、8週令で心体重比、心収縮能、カルシニューリン活性を測定。心肥大の程度は心筋厚、心筋細胞幅を計測し評価した。さらに4週から8週までカルシニューリン特異的阻害薬、FK506を0.5及び1.0mg/kg/day/mouse皮下投与し、心肥大に与える影響を調べた。また、心肥大に伴うskeletal α-actin、sarcoplasmic reticulum Ca2_<+->ATPase(SERCA2)、phospholamban(PLB)のmRNA発現を競合的RT-PCR法を用い評価した。JVSマウスは生後徐々に心肥大の程度が進展し、心体重比は8週令で最大となった。JVSマウスは8週令でコントロールに比し、血圧が低い傾向があり、心収縮能は低下していた。また、JVSマウスの心収縮能はFK506投与により影響を受けなかった。JVSマウスのカルシニューリン活性は4週令でコントロールに比し有意に高く、FK506投与によりカルシニューリン活性は一部抑制された。JVSマウスにおいて、心肥大はFK506投与により完全には抑制されなかったが、有意に軽減した。JVSマウスではSERCA2、skeletalα-actin mRNA発現が増加しており、FK506投与によりSERCA2発現は減少した。カルシニューリン経路の抑制によりJVSマウスの心肥大は軽減した。エネルギー産生障害モデルの心肥大にもカルシニューリン経路の関与が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Saburi Y, et al.: "Changes in distinct species of 1, 2-diacylglycerol in cardiac hypertronhy due to enrgy metabolic disorder"Cardiovascular Research. 57. 92-100 (2003)
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[Publications] Takahashi R, et al.: "Impact of alpha-tocophenol on cardiac hypertrophy due to energy metabolism disorder"Cardiovascular Research. (in press).