2003 Fiscal Year Annual Research Report
スタチンによる新たな心不全治療法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14570664
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
田中 光一 島根大学, 医学部, 助手 (00252924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 正明 島根大学, 医学部, 助教授 (90127530)
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Keywords | スタチン / アポトーシス / PKC / 心筋細胞 |
Research Abstract |
【目的】最近、スタチンが脂質低下作用とは独立した種々の作用、いわゆるpleiotropic effctを有していることが報告されている。我々は心筋細胞のアポトーシスに対するスタチンの作用について検討した。【方法】10週齢雄SDラットより分離・培養した心筋細胞に特異的protein kinase C(PKC)inhibitorであるchelerythrine, rottlerinを加え心筋細胞のアポトーシス、心筋細胞内PKCアイソザイムの局在・caspase-3活性の変化について解析し、それに対するアトルバスタチンの作用について検討した。心筋細胞のアポトーシスの証明・定量はTUNEL assayにより行った。心筋細胞内PKCアイソザイムの局在変化はウエスタンブロット法により解析し、caspase-3活性の測定はcaspase-3特異的発色基質を用いた比色法により行った。 【結果】chelerythrine, rottlerinは心筋細胞のアポトーシスを誘導し、心筋細胞内PKC-deltaの局在をparticulate fractionよりsoluble fractionにシフトさせ、また心筋細胞内caspase-3活性を増加させた。アトルバスタチンは、これらの特異的PKC inhibitorにより誘導される心筋細胞のアポトーシス、心筋細胞内PKC-deltaの局在変化、心筋細胞内caspase-3活性の変化を著明に抑制した。【結語】アトルバスタチンがPKC inhibitorにより誘導される培養心筋細胞のアポトーシスを抑制することを証明した。心筋細胞内PKC-deltaの活性化がその機序として重要である可能性が示唆される。
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