2002 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化の感受性および抵抗性遺伝要因のゲノム解析および分子病態の解明
Project/Area Number |
14570672
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小池 城司 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (90325522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市来 俊弘 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (80311843)
江頭 健輔 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (60260379)
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Keywords | 動脈硬化 / 遺伝子多型 / 遺伝解析 / 動物モデル / 発現プロファイル |
Research Abstract |
本研究はヒトおよび動物モデルにおける動脈硬化感受性および抵抗性遺伝子を同定することにある。 まず、ヒトにおける研究では、これまでの我々の研究結果からMCP-1、CCR2、NF-κbおよびTGF-βが動脈硬化の成因に深く関与していることを明らかにしてきた。これまでにMCP-1遺伝子のプロモーター領域のA-2518G多型については実験系を確立した。また、MCP-1遺伝子およびNF-κb遺伝子のコーディング領域には日本人には多型がないことも明らかにした。本年はCCR2遺伝子のG270A多型についての実験系を確立した。その日本人における頻度はA-allele26%、G-allele74%であった。さらにTGF-β遺伝子についてはtransforming growth factor-β family resionについて多型を検索したが、その領域には日本人には多型がないことも明らかにした。このデータはゲノムデータベースの情報とは異なり、本研究は日本人を対象としていることから、日本人特有の候補遺伝子の多型を検索する必要があることを意味する。これと平行して、動脈硬化危険因子をもたない虚血性心疾患患者のリクルートも進めているところである。 次に動物モデルにおける研究では、6週齢の動脈硬化感受性マウスC57BL/6Jと動脈硬化抵抗性マウスC3H/HeJの雌それぞれ5匹づつに12週間の高コレステロール負荷を行い、各個体の血管および骨髄からmRNAの抽出を完了した所である。現在、それらのmRNAからプローブを作成してcDNAチップによる発現プロファイル解析の準備を行なっているところである。さらに、コレステロール負荷を行なっていない18週齢のC57BL/6JおよびC3H/HeJの雌それぞれ5匹の動物群の試料も調整しており、2X2の比較検討を行なう予定である。この系により、C57BL/6JとC3H/HeJの比較だけではなく、同種マウスでのコレステロール負荷の有無による比較検討も可能で、より多くの動脈硬化に関与する可能性のある遺伝子(群)の同定が可能と考える。また、血管内皮細胞、血管平滑筋および骨髄幹細胞の培養条件の検討も開始したところである。
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