2003 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化の感受性および抵抗性遺伝要因のゲノム解析および分子病態の解明
Project/Area Number |
14570672
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小池 城司 九州大学, 大学病院, 助手 (90325522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市来 俊弘 九州大学, 大学病院, 助手 (80311843)
江頭 健輔 九州大学, 大学病院, 講師 (60260379)
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Keywords | 動脈硬化 / 虚血性心疾 / 発現プロファイル / 遺伝子多型 / 遺伝解析 |
Research Abstract |
本研究の主目的は、第一に動脈硬化感受性マウスと抵抗性マウスモデルを解析し、新しい"動脈硬化感受性・抵抗性遺伝子"の同定を目指すこと、第二にヒトの動脈硬化感受性・抵抗性遺伝子群の遺伝子多型を検索することである。具体的には以下のように研究を行った。 1.新しい遺伝子の同定を目指した基礎研究: 動脈硬化感受性マウスC57BL/6と動脈硬化抵抗性マウスC3H/HeJに高コレステロール負荷を行い、その後血管内皮細胞、血管平滑筋および骨髄幹細胞から抽出したmRNAを用いてcDNAマイクロチップ上で発現プロファイル解析を行った(in vivo系)。また、同様にマイクロチップの発現プロファイル解析をin vitro系で行うため、二つのマウスモデルから血管内皮細胞、血管平滑筋および骨髄幹細胞を採取し、その初代培養系を樹立するために、各種条件設定を行った。これらの発現プロファイル解析により動脈硬化感受性・抵抗性遺伝子(群)を明らかにした。 2.遺伝子多型を検索する臨床研究: 本研究では、これまでにMCP-1、TGF-β、NF-_kB遺伝子群の遺伝子多型の決定する系を確立した。当初は冠動脈危険因子をもたない虚血性心疾患患者のリクルートを目的としていたが、現実にはそのような対象患者は非常に少なかった。そこで我々の患者データを再度検討したところ、動脈硬化(特に冠動脈再狭窄)には冠動脈危険因子の影響は小さいことが明らかになり、新たな条件により虚血性心疾患患者のリクルートを行った。そして動脈硬化を虚血性心疾患患者群および対照群で上記の遺伝子多型を決定し、それらを遺伝子が動脈硬化に関与するか否かを関連解析により検討した。さらに、上記基礎研究で同定された動脈硬化感受性・抵抗性遺伝子(群)の遺伝子多型と動脈硬化との関連を明らかにした。
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