2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570708
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
岩田 裕子 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室員 (80171908)
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Keywords | 心筋症ハムスター / 細胞壊死 / Ca代謝異常 / サルコグリカン / myotube / ストレッチ感受性チャネル |
Research Abstract |
昨年度までの研究で、BIO14.6心筋症ハムスター骨格筋細胞(BIO14.6myotube)において、ストレッチによる筋細胞壊死に密接に関わっているCa^<2+>流入の増大はストレッチで活性化される非特異的カチオンチャネル活性の増大と関連することが明らかとなった。本年度は、チャネル候補遺伝了のクローニングと発現並びにNa^+流入におけるそのチャネルの関与を検討した。 1)BIOにおける非特異的カチオンチャネル活性化に基づく細胞内への^<22>Na^+流入の有無を調べたところ、^<22>Na^+取り込みは正常の約1.5倍であった。その増大はNa^+/H^+交換系(NHE)阻害剤EIPAで阻害され、Gd^<3+>では抑制されなかった。Ca^<2+>存在下の生理的条件では非特異的カチオンチャネルをとおしてのNa^+流入は少なくNHEの関与が大きいことが判明した。BIO myotube細胞内Na^+量の増加および細胞内PH増大が認められ、BIOでNa^+流入が増加していた原因としてNHE活性の上昇が示唆された。一方、NHE発現量および局在は正常と変わらなかった。 2)心臓および骨格筋に発現し、ストレッチ感受性の候補チャネル遺伝子を単離した。そのチャネルは、ジストロフィー症の筋細胞膜に発現しており、正常筋細胞でもストレッチなどのストレスにより細胞膜へ局在変化するという非常に興味深い性質を有していた。それを心臓細胞膜に過剰発現させたマウスを作成したところ、心肥大さらに筋細胞壊死および繊維化が見られ心筋症をひきおこすことが判明した。細胞骨格系蛋白質異常に基づく筋細胞変成のメカニズムについて研究し心筋症・筋ジストロフィー症で活性化されているSAチャネルの存在を示し、候補遺伝子を単離した。トランスジェニックマウスの実験から、心筋においてもSAチャネルが病態形成に重要な役割をはたしていることが示唆された。今後、病態心筋自体におけるSAチャネルの役割及び細胞骨格系蛋白との関係を明らかにしていきたい。
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Research Products
(1 results)