2003 Fiscal Year Annual Research Report
点頭てんかんの発症、進展における抗カジオリピン抗体の関連に関する基礎的研究
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14570717
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
萩野谷 和裕 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00208414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 浩之 東北大学, 病院・助手 (40271952)
宗形 光敏 東北大学, 病院・助手 (30312573)
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Keywords | 抗カルジオリピン抗体 / てんかん / 点頭てんかん |
Research Abstract |
申請者らは抗カルジオリピン抗体(aCL)が点頭てんかんおよびその既往のある続発全般てんかん患者では有意に陽性率が高いこと(p=0.002)を初めて見い出したが、より大きな集団での本抗体の陽性率とその意義について検討した。 対象:当院通院中のてんかん患者87名、非てんかん性の神経疾患患者37名について、同意下に血清aCLの測定をMBL社のkitにて測定した。てんかん患者においては同時に抗核抗体、抗DNA抗体も測定した。てんかんの分類としては、特発性全般てんかん(IGE)3名、症候性全般てんかん(SGE)34名、うち点頭てんかんは10例だった。潜因性または症候性部分てんかん(C/SPE)40名、未決定てんかん8名であった。また、既往にepileptic spasmが認められた症例は25例あった。結果:てんかん患者中18名(21%)、非てんかん患者中7名(19%)に15U/ml以上の上昇を認めた。てんかん患者の平均値は10.9+/-18.1で、また非てんかん患者の平均値は8.7+/-14.4であり、有意差はみられなかった(p=0.48)。てんかん患者の症候群分類では、点頭てんかんを含む症候性全般てんかんのグループが症候性または潜因性部分てんかんのグループに比べ、陽性率が有意に高かった(p=0.014)。年齢とカルジオリピン値の相関をみたものでは、年齢が低いほど陽性例は多い傾向があり、これは非てんかん患者でも同様の傾向を示した。また、てんかん患者においては性別、抗核抗体、抗DNA抗体、服用薬剤(PHT,CBZ,ZNS,VPA,BZP derivatives)、多剤併用との間には相関はみられなかった。しかし、局在関連てんかんでは有意に陰性になる傾向がり、症候性全般てんかんでは有意に陽性となる傾向がみられた。さらに、点頭てんかん患者は陽性になりやすく、過去にepileptic spasmsの既往をもった症例を加えて検討すると有意に陽性率が高かった。考察:aCLが異常高値の症例において、MRIにて梗塞の所見がないことから、てんかん患者におけるaCLの意義がもしあるとすると血栓症/梗塞とは異なる機序と考えられる。近年、aCLがシナプトソーム膜の透過性を亢進させ、膜電位を脱分極させることが示され、aCLが直接的に種々の神経症状の発現に関与している可能性が出てきた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Munakata M, Haginoya K, et al.: "The metabolic properties of band heterotopia differ from those of other cortical dysplasias : a proton magnetic resonance spectrophotometry analsys"Epilepsia. 44. 336-371 (2003)
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[Publications] Zhao Y, Haginoya K, et al.: "Platelet-derived growth factor and its receptors are related to disease progression in human muscular dystrophy"J Pathology. 201. 149-159 (2003)