2002 Fiscal Year Annual Research Report
マンノース結合レクチン(MBL)の糖尿病、動脈硬化への関与
Project/Area Number |
14570765
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
寺井 格 北海道医療大学, 医療科学センター, 講師 (40337043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真船 直樹 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (70241304)
小林 邦彦 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60091451)
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Keywords | レクチン / 補体活性化 / レクチン経路 / 免疫グロブリンA / IgA腎症 / 酸化ストレス / 糖鎖 |
Research Abstract |
MBLがIgAと結合することが、最近、報告された。IgA腎症の中にはMBLが組織に沈着しているものがあることも既に報告されており、MBLおよびレクチン経路のIgA腎症への関与が推測される。我々は種々のミエローマのIgAならびに各種免疫グロブリンを用い、MBLとの結合を検討した。MBLは、ある特殊なIgA (IgA2m(2) dimerの一つ)とのみ結合し、その結合はマンノース、Nアセチルグルコサミンなどの糖、あるいはEDTAにより阻害された。他の免疫グロブリンはMBLとは結合しないが、それらはノイラミニダーゼとβ-Dガラクトシダーゼの同時酵素処理により、量依存的に、かつ経時的にMBLと結合するようになった。これらの結果より、MBLはどんなIgAとでも結合できるわけではないこと、その結合は糖鎖を介したものであり、結合性を持たない免疫グロブリンも糖鎖がむき出しになることにより結合性を持つようになることがわかった。IgA腎症では糖鎖がむき出しになった特殊なIgAがその発症に関与している可能性が示唆された。 生体への酸化ストレスによるMBLの変動を知る目的で、ラットへの四塩化炭素経口投与による血清MBL値の変動を見た。MBL値は投与直後に激減するが、2-3日で元の値に復することが確認された。四塩化炭素投与により肝臓が障害されMBLの産生が減ずるが、直ぐに回復することがわかった。酸化ストレスによるMBL値の急上昇は認められなかった。現在、ヒトへの酸化ストレス負荷によるヒトMBL値の変動を調査中である。
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