2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経関連ペプチドとその受容体の遺伝子解析と連鎖解析による自閉症病因遺伝子同定
Project/Area Number |
14570766
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
山形 崇倫 自治医科大学, 医学部, 講師 (00239857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 尚美 自治医科大学, 医学部, 助手 (20337330)
諏訪 清隆 自治医科大学, 医学部, 助手 (30285796)
森 雅人 自治医科大学, 医学部, 助手 (10337347)
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Keywords | 自閉症 / セクレチン / セクレチン受容体 / MBD1 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
(1)自閉症候補遺伝子の解析 自閉症の病因遺伝子解明のため、DHPLC法にて神経ペプチドとその受容体、遺伝子不活化関連遺伝子など種々の候補遺伝子の変異解析を行なった。それらの中で、MBD1遺伝子で自閉性障害患者65例中1例に、R269Cのアミノ酸変異を来すC805Tの塩基置換がヘテロで検出された。この変異は、コントロール151例では検出されず、病因との関連が示唆された。他の遺伝子では、現在有意な変異は検出されていない。 (2)セクレチン(Sct)およぴセクレチン受容体(Sctr)ノックアウトマウス解析 RT-PCRによる解析の結果、ホモのSctrノックアウトマウスでは、Sctrの発現は検出されず、ノックアウトが有効であることが確認された。Sctrは、正常マウスにおいて、大脳、小脳、胃、膵臓、腎臓に発現していた。Sctrをβ-galactosidaseで置換してあるため、X-gal染色でSctrの発現が確認されるが、組織を検討中した結果、これらの組織における発現が確認された。脳では、海馬、扁桃体、大脳皮質深層、視床下部に強く発現し、小脳に軽度発現していた。また、病理学的解析の結果、脳内に明らかな構造異常はなかった。Sctノックアウトマウスでも同様に、RT-PCRでホモのノックアウトマウスでSctの発現はなく、ノックアウトが有効であった。Sctは小腸で高度に発現しており、脳、腎臓、脾臓で軽度発現していた。 SctおよびSctrが脳で発現していることが確認され、またSctrの発現部位は自閉症の病理との相関で興味ある部位であり、セクレチンが脳内で作用を有している可能性、自閉症との関連も示唆され、行動解析を含めた今後の解析が重要である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yamagata T, Aradhya S, Mori M, Inoue K, Momoi M, Nelson D: "The human secretin gene : fine structure in 11p15.5 and sequence variation in patients with autism"Genomics. 80. 185-194 (2002)
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[Publications] Li H, Yamagata T, Mori M, Momoi MY: "Asscciation of autism in two patients with hereditary multiple exostoses caused by novel deletion mutations of EXT1"Jounal of Humam Genetics. 47. 262-265 (2002)