2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570767
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
高橋 尚人 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50197159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 慎二 自治医科大学, 医学部, 助手 (50195989)
渋谷 泰寛 自治医科大学, 医学部, 講師 (20187420)
本間 洋子 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10238826)
矢田 ゆかり 自治医科大学, 医学部, 助手 (00296089)
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Keywords | スーパー抗原 / TSS / TSST-1 / 新生児TSS様発疹症 / NTED / MRSA / 新生児 / 川崎病 |
Research Abstract |
1 新生児TSS様発疹症(NTED)の全体像の把握 (1)NTEDの全体像の把握のため、全国主要新生児施設にアンケート調査を行った。回答率46 1%。過去にNTED症例経験のある施設は76/89(85 4%)。2002年にNTED症例を経験した施設はこのうち38施設で合計122症例、一施設平均32症例で最多施設は16症例。正期産児が52症例、早産児が65症例、不明5例。NTED重症例はDIC4例、NEC1例で、死亡例はなかった。2000年と比較し、症例数には若干の改善が見られるが、依然として多くの症例が確認された。 (2)重症例として、壊死性気管・気管支炎による死亡例、冠動脈に病変を認めた症例、DIC発症例、壊死性腸炎合併例などが確認された。 (3)NTED患児から回収したMRSA68株の遺伝子多型解析を行い、クローン性を検討した。パルスフィールドA subtype 66株はすべてTSST-1/SEC遺伝子を持ち、SCCmec typeがII型およびII'に分類され、結局66/68MRSA株が、単一クローン由来であることが確認された。このMRSAクローンは現在、本邦病院内に広まる院内感染型MRSAと同一クローン由来と考えられた。 (4)Ch cago USAとTours Franceから症例の問い合わせがあり、それぞれNTED初例として報告予定である。 (5)乳児期発症のNTEDとして、一例末梢血単核球の検討ができ、TCR Vbeta2陽性T細胞の活性化とde et onの傾向を確認した。乳児期に黄色ブドウ球菌外毒素TSST-1が疾患の原因となっている場合があることが確認された。この症例は川崎病との関連も示唆され、2の課題とも関連する。 2 川崎病患児のT細胞の解析 (1)上記(5)の症例以外はまだ、十分な解析が行えておらず、次年度の課題となっている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 高橋尚人: "新生児病棟/NICU-NTED/SSSSの予防と対策"周産期医学. 32. 981-983 (2002)
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[Publications] 高橋尚人: "ブドウ球菌感染症"小児内科. 34. 880-885 (2002)
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[Publications] 高橋尚人: "ブドウ球菌感染症"小児感染免疫. 14. 139-144 (2002)
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[Publications] 高橋尚人: "新生児医療におけるMRSA感染症"第54回日本産婦人科学会研修プログラム. 54・9. N321-N325 (2002)
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[Publications] 高橋尚人: "新生児TSS様発疹症"Medical Technology. 31・2. 119-120 (2002)
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[Publications] Kato H: "The percentage of superantigen-reactive T cells in peripheral blood significantly decrease before massively increasing in patient with neonatal TSS-like exanthematous disease in the early acute phase"J Infect Chemother. 8. 111-114 (2002)