2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規BH4合成系:遺伝子解析と異型フェニルケトン尿症のスクリーニング法の検討
Project/Area Number |
14570776
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
飯野 煕彦 日本大学, 文理学部, 教授 (50059937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新宅 治夫 大阪府立大学, 医学部, 助教授 (00206319)
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Keywords | カルボニル還元酵素 / アルド・ケト還元酵素 / BH4欠損症 / SPR欠損症 / BH4生合成系 |
Research Abstract |
カイコ突然変異体レモンの幼虫の脂肪体に存在する、SPRとは異なるBH4合成酵素の詳細な検討の結果、本酵素はさらに2種類のカルボニル還元酵素(CR I, CR II)によって、構成されていることが判明した。CR IはPPH_4の6位の側鎖に存在する2つのカルボニル基のうち2位を還元して1'-OX-PH_4を、CR IIはPPH_4の6位の側鎖に存在する2つのカルボニル基のうち1'位を還元して、2'-OX-PH_4をそれぞれ合成する。両者によって合成されたテトラヒドロブテリンは6位の側鎖に残った1',2'位のカルボニル基をCR I, CR IIが更に還元してBH_4を合成する仕組みであることが明らかとなった。 また、おなじ機能を持った還元酵素のヒトでの存在を検討する目的で、各種のヒト、アルド・ケト還元酵素(AKR1 family members)を用いてPPH_4からBH_4の合成の有無を確かめた. その結果、実験に用いたAKR1 family membersのうち、AKR1A1,1B1,1C1,1C2と1C4はPPH_4の6位の側鎖に存在する2つのカルボニル基のうち27位を還元して1'-OX-PH_4をAKR1C3は1'位を還元して2'-OX-PH_4を合成する事が明らかとなった。しかしAKR1 family memberは、カイコのCRI, IIと異なり、側鎖の更なる還元を行うことは出来なかった。2001年にその存在が初めて報告された、SPR欠損症は、今まで報告されたBH4欠損症とは大変異なることが、大きな特徴である。 SPR欠損症の患者に見られる、尿中プテリジン量、血中フェニルアラニン量の正常性は、ヒトでもSPRに依存しないBH4合成系があることを強く示唆する。
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Research Products
(1 results)