2003 Fiscal Year Annual Research Report
心筋・交感神経共同培養細胞を用いた交感神経の虚血プレコンディショニング効果の検討
Project/Area Number |
14570781
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
小川 俊一 日本医科大学, 医学部, 助教授 (50194436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深澤 隆治 日本医科大学, 医学部, 講師 (80277566)
勝部 康弘 日本医科大学, 医学部, 講師 (20246523)
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Keywords | 心筋細胞 / 交感神経節 / 共同培養 / 心筋虚血 / 虚血プレコンディショニング / KATPチャンネル / パッチクランプ |
Research Abstract |
心筋細胞膜上のK_<ATP>チャンネルを開口させると活動電位の短縮が起こり、その結果、細胞内へのCa^<++>過負荷による虚血心筋障害が軽減されると考えられている。我々は交感神経支配によりK_<ATP>チャンネルの機能および形態上の発現がともに増加し、そのことが虚血プレコンディショニングを惹起している大きな要因ではないか、さらに、除神経により交感神経支配が除去されると心筋細胞膜K_<ATP>チャンネルの機能低下を起こし、心筋障害を惹起しやすく成るのではないかとの仮説を持ち本研究を行った。【方法】生後1日目の新生仔ラット(この時期には未だ交感神経の支配を受けていない)を培養、また同ラットよりの頚部交感神経節との共同培養を行った。さらに、交感神経・筋接合が完成後に交感神経節を除去し、徐神経した。以上、培養心筋細胞(M群)、交感神経支配された心筋細胞(C群)、徐神経された心筋細胞(D群)の3系列の培養細胞を用い電気生理学的検討を行った。さらに、これらの培養細胞系に対し、短時間虚血処理を施行し、虚血処理群と未処理群での電気生理学的検討も行った。【結果】(1)心筋培養細胞:培養3日目には心筋細胞が互いにconfluentとなり、拍動が認められ、共同培養では同様に培養3日目には交感神経節よりaxonが伸び、いくつかの心筋細胞との間に神経・筋接合が完成した。(2)心筋細胞膜K_<ATP>チャンネルの電流密度:M群(n=6)35.1±4.4pA/pF,C群(n=4)54.1±7.3pA/pF(p<0.05,vs.other groups),D群(n=4)33.5±6.6pA/pF、その他は現在実験継続中。【結語】交感神経支配によりラット心筋細胞膜K_<ATP>チャンネルの電流密度は有意に増加した。
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