2002 Fiscal Year Annual Research Report
起立性調節障害のタイプ別発症機序解明ならびに包括的治療開発に関する臨床研究
Project/Area Number |
14570782
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
田中 英高 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (90188326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 章 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
佐々木 恵雲 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師
梶本 宜永 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30224413)
松島 礼子 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
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Keywords | 起立性調節障害 / 起立性低血圧 / 起立直後性低血圧 / 体位性頻脈症候群 / 神経調節性失神 / 交感神経活動 / 血圧反応 / 周波数解析 |
Research Abstract |
今年度は申請書に記載した次の3項目についての進捗について報告する。 (1)起立性調節障害のサブタイプの病態生理を明確化。 循環血漿流量、心拍出量、末梢血管抵抗、脳循環代謝機能、交感神経活動、迷走神経活動の各々について、体位変換時の変動を明らかにするため、既存のポータプレス、インピーダンスカルジオグラムの機材調整ならびにデータ解析プログラムのセットアップを行い、また脳循環代謝測定NIRSの測定条件、測定場所の調整、PC用入力プログラムの作成と調整を完了した。 (2)同上の発症機序の解明。 心理的ストレスによる自律神経機能への影響を調べる目的で心拍血圧変動の周波数解析をもちいて検討した。この研究成果では、心理的ストレスが関与する自律神経症状は、交感神経活動の低下、カテコラミン末梢受容体の感受性亢進が生じて、臥位時低血圧、起立時の一過性血圧低下とそれに引き続く血圧反応の亢進が生じていると考えられた。すなわち、様々な自律神経症状は、中枢性の交感神経活動の低下を生ずる一方で、体位変換時の血圧過剰な変動を引き起こしていると考えられた。起立性低血圧を生じないような小児においても、身体症状発現の背後にある自律神経バランスの破綻が存在する。 (3)新しい包括的治療方法の開発 起立性調節障害児とその家族にたいする全人医療のモデル事業を開始した。その結果は論文において発表した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Shichiri M, Tanaka H, Takaya R, Tamai H: "Efficacy of high sodium intake in a boy with instantaneous orthostatic hypotension"Auton Res. 12. 47-50 (2002)
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[Publications] Tanaka H, Matsushima R, Tamai H, Kajimoto Y.: "Impaired postural cerebral hemodynamics in young patients with chronic fatigue with and without orthostatic intolerance"J Pediatr. 140. 412-417 (2002)
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[Publications] Tanaka H, Borres M, Thulesius O, Tamai H, Lindblad LE: "Evidence of decreased sympathetic function in children with psychosomatic symptoms"Clin Auton Res. 12. 477-482 (2002)
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[Publications] 田中英高, 松島礼子, 山口仁, 竹中義人, 川崎康寛, 玉井浩, 本多和雄: "低血圧に対する一般市民の関心について・低血圧特化型ホームページの利用状況"自律神経. 35. 452-458 (2002)
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[Publications] 永井章, 新田雅彦, 田中英高, 玉井浩: "発作誘発に心理的誘引の関与が示唆されながら一般外来で対応可能であった気管支喘息の一例"心療内科. 6. 58-61 (2002)