2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュを用いた先天性造血障害および免疫不全モデルの作成とその遺伝子解析
Project/Area Number |
14570783
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河崎 裕英 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80278621)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 先天性造血障害 / 先天性免疫不全症 / in situ hybridization / ikaros |
Research Abstract |
ゼブラフィッシュ研究用の水槽タンクと自動環流システムを研究室内に設置し、先天性造血障害や免疫不全のゼブラフィッシュモデルを製作を試みた。点突然変異を誘発することが知られているN-ethyl-N-nitrosourea(ENU)処理を雄に行い、その雄と野生型の雌とを交配し、ヘテロ接合体の雑種第一代(F1)を作成した。F1の雌から取り出した無受精の卵に、紫外線処理をしDNAを不活性化した精子をかけ、フレンチプレッシャーにて圧をかけるという偽受精・高圧処理を行い単為発生を誘発した。上記処理4日後に幼魚をアルコール固定し、赤血球系に発現するヘモグロビンとリンパ球系に発現するrag1の遺伝子プローブを用いたwhole embryo in situ hybridizationを行い突然変異の有無を調べた。野生型におけるwhole embryo in situ hybridizationではヘモグロビンは心血管系に、rag-1は胸腺に発現するが、それらの発現に異常が観察されたものを突然変異体と考える。心血管系と胸腺ともに遺伝子発現のみられないヘモグロビン(-)/rag1(-)の表現型持つものを造血幹細胞の発生に異常があるもの、胸腺のみに発現のみられるヘモグロビン(-)/rag1(+)のものを赤血球系の発生に異常があるもの、心血管系のみに発現のみられるヘモグロビン(+)/rag1(-)のものをリンパ球系の発生に異常があるものと考える。その結果、F1の215個体から36個体の突然変異が得られた。内訳は、リンパ球系の発生に異常があるヘモグロビン(+)/rag1(-)の19個体、赤血球系の発生に異常があるヘモグロビン(-)/rag1(+)の14個体、造血幹細胞の発生に異常があるヘモグロビン(-)/rag1(-)の3個体であった。その後、ゼブラフィッシュにおけるリンパ球発生を解析するために、ゼブラフィッシュのikaros遺伝子をクローニングし全遺伝子のシークエンスを行った。そのクローニングしたikaros遺伝子をプローブとしてwhole embryo in situ hybridizationを行い、ゼブラフィッシュにおけるリンパ球発生の全過程を明らかにした。この成果は、Catherine E.Willett, Hirohide Kawasaki,他、Ikaros expression as a marker for lymphoid progenitors during zebrafish development. Developmental Dynamics 2001;222(4):694-698に発表した。
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Research Products
(6 results)