2003 Fiscal Year Annual Research Report
川崎病の病因解明:分子遺伝学的解析および血管分子生物学的手法を用いたアプローチ
Project/Area Number |
14570786
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Research Institution | KURUME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石井 正浩 久留米大学, 医学部, 講師 (90222950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 洋子 久留米大学, 医学部, 助手 (40309787)
古井 潤 久留米大学, 医学部, 助手 (00341339)
牟田 広実 久留米大学, 医学部, 助手 (40343694)
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Keywords | 川崎病 / 血管分子生物学 / 分子遺伝学 / 血管炎 / 冠状動脈瘤 / 心血管後遺症 / 細胞接着分子 / 血管新生因子 |
Research Abstract |
川崎病は全身中小動脈の血管炎を主体とする乳幼児の熱性・発疹性疾患である。川崎病の現時点での最も大きな問題点は、未だその成因が不明であるということおよび重篤な心血管系の障害を引き起こすことである。しかし川崎病は何らかの微生物の感染を基盤として発症すると考えられるが、病因に関する研究が多数行われているにも関わらず、依然として病原因子は不明のまま残されている。川崎病は、全世界で発症していることからその病因は、特異的な与のではなく、コモンな物であることが考えられる。それらの、病因物質がある特定の分子遺伝的基盤を有する個体に対して川崎病を発症させると考えた。以上のことより、川崎病児の遺伝分子学的基基盤の解析を行った。Affymetrix社のGene chipシ久テムを用いて遠隔期川崎病既往児の遺伝子発現を検討した。対象は冠状動脈病変を合併した川崎病既往児8例、冠状動脈病変非合併の川崎病既往児8例、および対照群10例とした。末梢血単核球より得られたRNAサンプルを用いて遺伝子発現プロファイルを解析した。遺伝子発現の差異は1.5倍以上を有意とした。Human gremline IgD chain geneとH.sapiens mRNA for Tcell lerkemia/lymphoma 1が有意差をもって冠状動脈病変を合併した川崎病既往児多く発現した。Homo sapiens mRNA for KIAAO7522 proteinも有意差をもって冠状動脈病変を合併した川崎病既往児に多く発現した。Human MHC class II HLA-DR7とHuman MHC class II HLA-DRw53は有意差を持って対照群に比し、川崎病既往児で多く発現した。川崎病の病態、冠状動脈瘤発生において遺伝的な要因が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sugahara Y, Ishii M, Muta H, Egami K, Akagi T, Matsuishi T: "Efficacy and safety of thermal vasodilation therapy by sauna in infants with severe congestive heart failure secondary to ventricular septal defect."Am J Cardiol. 92. 109-113 (2003)
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[Publications] Muta H, Ishii M, Sakaue T, Furui J, Sugahara Y, Matsuishi T: "Older age is a risk factors for the development of cardiac sequelae in Kawasaki disease from the nationwide survey in Japan"Pediatrics. (印刷中).
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[Publications] Muta H, Ishii M, MD, Egami K, Furui J, Sugahara Y, Matsuishi T: "Early Intravenous Gamma-globulin Treatment for Kawasaki Disease : From the 15 and 16 Nationwide Surveys in Japan"J Pediatr. (印刷中).
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[Publications] 姫野和家子, 赤木禎治, 石井正浩, 前野泰樹, 浦部大策, 松石豊次郎: "3ヶ月未満に発症した川崎病の臨床像に関する検討"日本小児科学会雑誌. 107. 1014-1019 (2003)
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[Publications] 石井正浩, 牟田広実, 菅原洋子, 古井 潤, 籠手田雄介, 松石豊次郎: "川崎病の急性期にガンマグロブリンの早期投与は本当に悪いのでしょうか"小児内科. 35. 1563-1566 (2003)
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[Publications] 石井正浩, 姫野和家子, 松石豊次郎: "川崎病"川崎病、内科医・小児科研修医のための小児救急医療治療ガイドライン. 227-236 (2004)