2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570797
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
根岸 泉 群馬大学, 医学部, 講師 (60292611)
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Keywords | ZAP-70 / DETC / γδT cell / maturation and differentiation |
Research Abstract |
T細胞は抗原レセプター(TCR)を構成する鎖によって、αβ型とγδ型とに分けられる。マウス表皮にはγδT細胞に属するdendritic epidermal T cell (DETC)が存在する。その成熟分化の過程に関しては不明な点が多い。zeta-chain associate protein (ZAP)-70はTCRζ鎖に会合するチロシンキナーゼで、T細胞活性化シグナルの伝達物質である。申請者が作製したZAP-70欠損マウスの解析結果から、同分子がαβT細胞の成熟分化と選択に必須であることが判明している(Negishi I., et al. Nature 376 : 435-438, 1995)。本研究では、マウスDETCの成熟分化におけるZAP-70の働きを探求するためにZAP-70欠損マウスのDETCについて解析した。 免疫組織学的解析の結果、ZAP-70欠損マウスの皮膚ではDETCの細胞数が減少し、形態学的特徴である樹枝状突起が短小化していた。フローサイトメトリーを用いた解析では、DETCの表面分子であるγδTCR、Thy-1.2の発現量はコントロールマウスのDETCに比べて減少していた。 以上の結果から、ZAP-70^<-/-> DETCは未熟な段階で成熟分化が停止していることが示唆された。ZAP-70はαβT細胞だけでなく、γδT細胞の成熟にも不可欠な分子であると考えられる。今後は、ZAP-70^<-/-> DETCの機能解析を行う予定である。
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