2002 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤性光線過敏症の分子免疫機構と薬剤の光アレルギー能のスクリーニング
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14570804
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
戸倉 新樹 産業医科大学, 医学部, 教授 (00172156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊豆 邦夫 産業医科大学, 医学部, 講師 (90330993)
山元 修 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70174779)
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Keywords | 光線過敏症 / 薬剤 / 光ハプテン / T細胞 / 免疫 / ランゲルハンス細胞 / キノロン / 光アレルギー |
Research Abstract |
ニューキノロンの光アレルギー性機序を解明するために,キノロン光産物特異的なモノクローナル抗体(ST-Q-9)とマウスモデルを作製しキノロンは,ランゲルハンス細胞(LC)上の膜あるいは細胞質蛋白に光共有結合し,こうしてできたキノロン光修飾LCはT細胞を感作・惹起して光アレルギー反応を引き起こすことを示してきた.今回の研究ではキノロンの抗原生成についてオフロキサシン(OFLX)を使って検討した.OFLXと牛血清アルブミン(BSA)をリン酸バッファーに溶解し,UVAを照射後,BSAと非結合のOFLXは透析して除去した.こうしてできたOFLX-BSA光結合産物をアミノ酸分析したところ,リジン(K)の含有量は低下し同アミノ酸の化学的変化を認めた.次にヒスチジン(H)12個のペプチド(H12)と7番目のHをKに換えただけのペプチド(H6KH5)とを合成し,この2種類のペプチド1mMをそれぞれ2mM OFLXと混合しUVAを照射した.この2種の照射液をST-Q-9をリガンドとするaffinity chromatography操作し,結合した物質を酸で溶出した.溶出分画中のOFLXおよびヒスチジンを定量したところ,単位ペプチド当たりOFLX/H6KH5はOFLX/H12の約2倍のOFLXを含んでおり,OFLXはリジンに光結合する選択性が高いことが示唆された.さらにはマウスMHCクラスII分子に結合性がありリジンを含む合成ペプチドをOFLX光修飾し,これを抗原としてLCの存在下でOFLX光感作マウスのリンパ節CD4+T細胞を培養したところ,T細胞増殖反応を認めた.以上の結果は薬剤が光抗原の一部を担うことを示した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tokura Y.: "Augmentation of monocyte interleuki-8 production by psoralen/UVA-treated CD4+T cells"Exp. Dermatol.. 11. 564-572 (2002)
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[Publications] Yagi S.: "UV dose measurements of photosensitive dermatosis patients by polycrystalline GaN-based portable self-data-acquisition UV monitor"Photochem. Photobiol.. 76. 669-371 (2002)
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[Publications] 戸倉 新樹: "第1部 アレルギー 第2章 アレルギーの先端的トピックス 6.光線アレルギーの機序"先端医療医療シリーズ19:アレルギー・リウマチ・膠原病の最新医療. 82-88 (2003)
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[Publications] 戸倉 新樹: "最新皮膚科学大系第3巻 光アレルギー接触皮膚炎"中山書店. 286 (2002)