2002 Fiscal Year Annual Research Report
Klotho変異早老マウス皮膚における遺伝子発現異常のcDNAマイクロアレイ分析
Project/Area Number |
14570810
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
古村 南夫 福岡大学, 医学部, 講師 (10315070)
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Keywords | 皮膚 / 老化 / ビタミンD / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本年度はKlothoマウスの皮膚、皮下組織を対象としたマイクロアレイ分析による老化関連因子の検索を行った。 目的と方法:マウスの皮膚及び皮下組織全体を対象として全RNA抽出を行い、cDNAマイクロアレイ、オリゴマイクロアレイ、cDNAメンブレンアレイにて発現プロファイルを解析した。本年度の当初計画では、包括的発現プロファイルを解析する前に、皮膚で発現されている転写因子をRT-PCR法を用いて選別する予定であった。しかし、高感度のメンブレンタイプのcDNAアレイで転写因子を100クローン以上スポットによって比較的信頼性の高い分析が可能になり、更にオリゴアレイも実用化されたため、6種類のマイクロアレイ分析を平行して行い比較分析し、Klothoマウスの皮膚老化に関わると考えられる転写因子や関連遺伝子の発現変化を検索することにした。 結果:5000または9000クローンの遺伝子をスポットしたマイクロアレイ2種の解析で発現レベルが2倍以上に亢進あるいは低下した既知の遺伝子が合計約900種類確認された、メンブレンアレイでは計2000スポットの既知遺伝子のうち約100種類の発現が有意に変化していた。転写因子では発現が上昇が4種で、低下していたものは21個であった。このうち、複数のアレイ検索で検出された転写因子はPOUファミリーの転写因子の発現低下で、KlothoでみられるビタミンD合成異常にVDRレセプター複合体の転写活性調節で関与する可能性がある。転写因子以外では、ビタミンD3過剰状態によって発現誘導された遺伝子や、皮膚で老化に伴い発現が変化すると報告された遺伝子の発現変化が複数のアレイで確認できた。今後、更に検出感度の高いマイクロアレイを加えて包括的な発現の検証と確認を行う予定である。また、ビタミンD3の皮膚構成細胞への影響を調べる目的で、培養メラノサイト、ケラチノサイト、線維芽細胞に対して活性型ビタミンD3を作用させ遺伝子発現をマイクロアレイで検討中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 中山樹一郎, 古村南夫, 吉田雄一ほか: "NFIカフェオレ斑に対する活性型ビタミンD3の治療効果の研究"厚生労働者科研費 平成14年度報告書,神経皮膚症候群に関する研究. 36-39 (2003)