2004 Fiscal Year Annual Research Report
Klotho変異早老マウス皮膚における遺伝子発現異常のcDNAマイクロアレイ分析
Project/Area Number |
14570810
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
古村 南夫 福岡大学, 病院, 講師 (10315070)
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Keywords | 皮膚 / 老化 / ビタミンD3 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
目的と方法:Klotho早老マウスはklotho遺伝子変異によりヒトの皮膚老化に類似した老年性皮膚萎縮をきたす。内分泌異常の一つとしてビタミンD3の過剰状態があり、臓器の早老変化との関連が示唆されている。本年度はビタミンD3過剰状態によって引き起こされるシグナル伝達系にターゲットを絞った。これまでのマイクロアレイ解析によってビタミンD3による遺伝子発現変化が確認されたが、シグナリングについてthioredoxin (TRX)に着目した。これまでに発現変化がみられた遺伝子についても、上流の転写因子について文献的検索し予想される転写因子の活性化についてスクリーニングした。 結果:Klotho早老マウス皮膚ではビタミンD3過剰によって、TRXの機能を抑制するvitamin D3 up-regulated protein 1(VDUP1)の発現が亢進していることが見出され、TRXの抑制によって酸化ストレスが増加すると考えられた。転写活性スクリーニングにより転写因子SP1の活性低下が明らかになったが、SP1はredox regulated転写因子であり、TRXの機能抑制により活性が低下するため、ビタミンD3過剰状態によって変化するシグナル伝達系の存在が明らかになった。これまでに発現変化が確認された遺伝子で、SP1によって制御される変化として、転写因子OCT1発現低下、成長因子・サイトカインではHGF、IL1、さらにelastinの発現低下が皮膚老化に関与すると考えられた。しかし、metallothionein-1、apolipoprotein D、selenoprotein PなどKlothoマウス皮膚で発現が著明に亢進しているもののSP1の活性低下はこれらの遺伝子に対しては抑制的に働くとの報告があり、複雑な発現調節系の存在が示唆された。
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Research Products
(3 results)