2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570823
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Research Institution | JUNTENDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
須賀 康 順天堂大学, 医学部, 講師 (90245738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 志斈 順天堂大学, 医学部, 教授 (40193198)
溝口 将之 順天堂大学, 医学部, 講師 (20317473)
須藤 一 順天堂大学, 医学部, 講師 (90286740)
池嶋 文子 順天堂大学, 医学部, 助手 (30338321)
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Keywords | 尋常性白斑 / 酸化ストレス / 過酸化水素 / カタラーゼ / レドックス制御 / 紫外線 |
Research Abstract |
尋常性白斑は、メラニン色素の産生が局所的に低下して生じる最も頻度の高い脱色素病変である。本研究では、主にレドックス制御に基づいた観点から、病態、診断、治療に関する研究を総括的に行っている。 1.病態モデルの作成 正常黒色系統ラットへの紫外線照射実験を行った。低エネルギー量(1/2MED以下)の紫外線を連続照射、表皮に酸化ストレスを生じさせることにより、過酸化水素(H2O2)の発現は照射直後より顆粒層を中心に増加し、それに伴ってカタラーゼ(CAT)の発現も増加した。一方、それ以上の高エネルギー量の紫外線の連続照射により、H2O2の発現は照射直後より表皮全体に顕著に増加。更にCATの発現はほぼ消失し、色素細胞が基底膜下に脱落、白斑を生じた。この現象は、白斑の病態モデルとして使用出来ると考えた。今後、各種治療を同時に行い、上記の挙動がどのように変化するのか検討予定である。 2.皮膚バリアー機能との関係 白斑病変部と非病変部のバリアー機能の測定と解析を実施した。水分蒸発量測定装置、染色液浸透アッセイを行ったところ、皮疹部のバリアー機能は周囲の健常部と比べ有意に低下していた。白斑病変部位はバリアー機能の失調と関連して炎症を起こし、レドックス制御が低下している可能性がある。 3.各種治療法に対しての評価 In vivoの状態で表皮内のレドックス制御を比較。白斑の病変部にある表皮細胞、色素細胞にはH2O2によるストレスが加わっていることをセリウム法で定量的に見出した。すなわち、低エネルギー量紫外線療法はレドックス制御の改善により、有効な治療法と判定出来た。一方、近年使用されるようになったタクロリムスやビタミンD3は、モデルマウスに外用後もレドックス制御の改善が認められず、むしろ細胞免疫抑制による効果が示唆された。抗酸化剤の外用治療は、既知の治療に抵抗性のある白斑であっても、レドックス制御の改善が表皮内で得られることが判明した。
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Research Products
(5 results)