2004 Fiscal Year Annual Research Report
性ホルモンの尋常性乾癬の病態に対する作用及びその治療における有用性
Project/Area Number |
14570825
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
神田 奈緒子 帝京大学, 医学部, 助教授 (50260493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 晋一 帝京大学, 医学部, 教授 (90114719)
大西 譽光 帝京大学, 医学部, 講師 (80233211)
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Keywords | 尋常性乾癬 / 17β-エストラジオール / MCP-1 / 表皮角化細胞 / エストロゲンレセプターβ / AP-1 / Sp1 / 転写 |
Research Abstract |
尋常性乾癬患者の表皮角化細胞では、T helper 1細胞,マクロファージの浸潤を促すRANTES, MCP-1などのケモカインの産生が亢進しており、これらが皮膚の炎症を惹起する。女性では妊娠中、尋常性乾癬が軽快することが知られており、女性ホルモンが尋常性乾癬の発症、進行を抑制する可能性が示唆される。本研究では、ヒト表皮角化細胞のMCP-1産生に対する17β-エストラジオール(E2)の作用を検討した。E2は角化細胞のMCP-1プロモーターの活性を抑制し、プロモーター上のSp1,AP-1 elementがE2の作用に必要であった。E2はSp1,AP-1の転写活性を抑制し、この作用はエストロゲンレセプターβ(ERβ)遺伝子の導入により増強した。ERβのA/B region, AF2 domainの変異により、E2の転写抑制作用は解除された。ERβを導入した角化細胞ではERβとSp1,AP-1 c-Fos, c-JunがE2依存性に結合することが確認された。したがって、E2と結合したERβはERβのA/B region及びAF2 domainを介してSp1,AP-1の転写活性を抑制することにより、角化細胞のMCP-1転写を抑制することが示唆される。E2はMCP-1産生の抑制を介して乾癬病変部の炎症を抑制する可能性が示唆される。
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Research Products
(2 results)