2003 Fiscal Year Annual Research Report
FISH法を用いたG2とM期の染色体変異解析による放射線感受性の定量と臨床応用
Project/Area Number |
14570838
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
川田 哲也 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (60234077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 公一 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (80334184)
宇野 隆 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30302540)
伊東 久夫 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20095574)
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Keywords | FISH / 染色体変異 / 放射線感受性 / 放射線治療 |
Research Abstract |
本研究は、G2アッセイおよびMFISH(Multiple Fluorescence in situ hybridization)法を行うことにより、腫瘍細胞および正常細胞の放射線感受性を予測する方法を開発し、臨床応用することを目的として、以下の研究を行うこと予定を作成した。すなわち、増殖期G2リンパ球に低線量のX線(0.5-1.0Gy)を照射し、1時間後にM期に到達した細胞の染色分体切断数を測定するG2アッセイが開発されている。我々はこの手法をヒト正常繊維芽細胞、放射線感受性が著しく高いことが知られているAtaxia Telangiectasia(AT)細胞、および感受性の異なる腫瘍細胞群に用いて感受性の違いをM期の染色分体切断頻度の差から検討を行う。同時にG2アッセイで得られたM期染色体異常頻度と、Calyculin-Aを用いて早期に凝集させたG2期の染色分体切断数との比較を行い、G2/M期のCheckpoint機構と放射線感受性との関連性を検討する。また、G2アッセイの結果とG0期細胞の放射線感受性の関連を調べるため、G0細胞の放射線による生存曲線と比較検討する。本年度は、ヒト正常繊維芽細胞とヒトAtaxia Telangiectasia由来の繊維芽細胞の放射線感受性が、カフェインの投与により著しく異なることを明らかにした。すなわち、正常ヒト線維芽細胞はカフェインオ投与による感受性の変化はあまりないが、ATM遺伝子変異の細胞は感受性が著しく増加することを明らかにした。さらに、照射時には正常細胞と同様な感受性を示すATM遺伝子がヘテロの細胞は、カフェインの投与により、ATM細胞と同様の感受性を示すことが示唆され、更に検討を続ける必要性が示唆された。
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[Publications] Kawata T: "Radiation-Induced Chromosome Aberrations in Ataxia Telangiectasia Cell Line : high frequency of deletions and misrejoining detected by fluorescence in situ hybridization."Radiat Res. 159. 597-603 (2003)
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[Publications] Kawata T: "G2 chromatid damage and repair kinetics in normal human fiboroblast cells exposed to low^- or high-LET radiation."Cytogenet Genome Res. (In press). (2003)