2003 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシスの核医学的画像化に関する研究:癌治療効果早期判定法の開発
Project/Area Number |
14570840
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
村田 雄二 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (10239535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 均 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10014292)
三浦 雅彦 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10272600)
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Keywords | annexin V / apoptosis / radionuclide imaging / radiation |
Research Abstract |
annexin Vはアポトーシス早期の細胞に結合する。最近RI標識annexin Vを用いたアポトーシスの核医学的画像化が試みられている。本研究では、I-125標識annexin Vを用いて低線量放射線照射後のアポトーシス発現の核医学的画像化を試みた。 ヒトependymoblastomaをヌードマウスの右後肢に皮下移植し、低線量のX線照射は2,5,10Gy)を行い、6時間後に尾静脈よりI-125-annexin V 370KBqを注入、2時間後に安楽死させ腫癌部を凍結、切片を作製し、オートラジオグラフィーを作製した。またTUNEL法によるアポトーシス頻度の評価も行った。さらに、5Gyを照射した後、3,6,12時間後に凍結切片を作製、オートラジオグラフイーを作製した。オートラジオグラフィー上の腫瘍へのI-125-annexin V集積は、腫瘍集積/周囲筋集積比(TMR)で評価した。またアポトーシス頻度はapoptosis index(AI)を測定し評価した。結果は、対照群(非照射群)でのTMRが1.4に対し、照射群では有意に(p<0.05)高値を示した(2Gy群2.8,5Gy群2.6,10Gy群2.4)。AIも対照群(2%)に対し照射群で高値(28-90%)を示した。また、照射後の時間に関しては、6時間後が最も高い集積(TMR)を示した。 以上の結果より、腫瘍への低線量放射線照射後のアポトーシス発現の核医学的画像化の可能性が示唆された。アポトーシスは放射線治療効果の先行指標として期待されている。本研究結果は、非侵襲的な放射線治療効果予測法の可能性を示す有意義なものと考えられる。
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