2002 Fiscal Year Annual Research Report
MRIによる心筋血流自動解析プログラムの構築及びその臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
14570855
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
多田村 栄二 京都大学, 医学研究科, 助手 (70303831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 哲也 京都大学, 情報研究科, 教授 (00209561)
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Keywords | 心筋血流 / MRI / 自動解析 |
Research Abstract |
MRIを用いて、局所心筋血流の定量的評価をするためには造影剤を投与後、通常60秒程度の動態画像の撮影が必要となる。従って、呼吸停止した状態ですべてのデータを収集できない難点があり、心筋局所及び動脈の入力である心内腔の信号強度を時間系列をおって全てえるために、各画像に一つ一つ関心領域を設定するという煩雑な作業をおこなわざるをえない。また、実際に撮影される画像は左心室をカバーすべく複数のスライスにわたり、さらに通常は安静時だけでなく薬剤負荷時による状態でも撮影が行われる。実際の臨床の場では膨大な時間的手間及び肉体的労力のためにこれらを行うことはまず困難である。本年度の研究では心筋血流の定量値を視覚化(parametric imageの作成)するための最初の段階として、まず関心領域の設定作業をコンピューター上で自動的に行うことを目的とした。当初、心筋各フレームごとに左室を抽出することを考えてプログラムの試作を行った。一つ一つの画像で左室の中心を視覚的に判断し、その位置をコンピューターに認識させ、心電図同期した画像であるために左室の大きさは各フレームで同じであろうという仮定から開発を行った。手作業による関心領域の設定に比べるとかなり手間の軽減には役だったものの心臓の大きさが時間ごとに多少ずれが認められ、手作業が必要なことも多く、システムの完成度は十分に満足のいくものではなかった。そこで、これまでの心筋をそれぞれの画像から抽出するという方法ではなく、画像に含まれる肝臓、肺、胸骨などの骨などの全体の情報を使って心臓の位置を特定していく方法が最終的に心臓の関心領域設定には適していると考えられた。これにより呼吸性移動が激しい症例でなければ比較的良好に関心領域の設定が可能になってきている。
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[Publications] Handa N, Magata Y, Tadamura E, Mukai T, Nishina T, Miwa S. et al.: "Quantitative fluorine 18 deoxyglucose uptake by myocardial positron emission tomography in rats"J Nuci Cardiol. 9・6. 616-621 (2002)
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[Publications] Sakaguchi G, Tadarnura E, Ohnaka M, Tambara K, Komeda M.: "Composite arterial Y graft has less coronary flow reserve than independent grafts"Ann Thorac Sur. 74・2. 493-496 (2002)
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[Publications] 多田村栄二, 久保滋人, Mamede Marcelo, 山室正樹, 小西淳二: "心筋代謝イメージング"Cardiac Practice. 13・4. 71-79 (2002)
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[Publications] 多田村栄二, 森田浩一, 玉木長良, 小西淳二: "虚血性心疾患への応用"映像情報Medical. 34・13. 1242-1244 (2002)
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[Publications] 多田村 栄二: "心血管イメージング-新世代の診断法-"株式会社 メジカルビュー社. 8 (2002)