2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳MRI検査における血管周囲腔の拡大と血管周囲組織障害の関連に関する研究
Project/Area Number |
14570884
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
岩井 邦充 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (40243274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 裕 金沢医科大学, 医学部, 助手
服部 英幸 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (00298366)
松本 正幸 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50028677)
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Keywords | 頭部MRI / 点状高信号 / 動脈硬化因子 / 大脳基底核 / DICOM画像 / グリオーシス / 血管周囲腔 |
Research Abstract |
現在までの頭部MRI-T2強調像における点状高信号の解釈は、厚労省における「無症候性脳血管障害の診断基準(試案)」によれば、主に大きさで分けられており、部位に関係なく、直径3mmを超えない高信号は血管周囲腔の拡大、直径3mm以上の高信号は梗塞巣である可能性が高いとされていた。これまでの本研究において直径3mmを超えない高信号の周囲には組織障害が起こっている可能性が示唆された。本年度の研究では、DICOMフォーマット画像解析装置を用いて脳ドック受診者の頭部MRI検査における画像信号を直接コンピュータに取り込み、点状高信号の局在、大きさ、数について検討し、特に大脳基底核に直径3mmを超えない高信号が多く存在することが分かった。また、多変量解析を用いて検討したところ、大脳基底核における点状高信号と大脳白質における点状高信号では、関与する動脈硬化因子が違い、大脳基底核では糖尿病および高血圧が関与し、大脳白質では糖尿病、高血圧、高脂血症が関与していることが示唆された。これらの主旨を第44回日本老年医学会学術集会(6月、東京)および第3回老年疾患研究会(7月、東京)にて発表した。これらの研究結果よりMRI-T2強調像における直径3mmを超えない高信号は細動脈硬化による血管周囲組織損傷を表わしていると考えられ、この変化が脳脊髄液と同じintensityとして写し出され、血管周囲腔が拡大した例と同様のMRIの画像変化としてとらえられたと考えられた。今後さらにDICOMフォーマット画像解析装置を用いて点状高信号の濃度、形状についても研究を進める予定である。特に形状については、これまで他施設の報告で不整形の点状高信号はラクナを表わしているとするものがあるが、より精密な検討はいまだなされておらず、濃度についても検討されていない。今後、本研究において特に力を注ぐべき課題と考えている。
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