2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳MRI検査における血管周囲腔の拡大と血管周囲組織障害の関連に関する研究
Project/Area Number |
14570884
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
岩井 邦充 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (40243274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 裕 金沢医科大学, 医学部, 助手 (50367471)
松本 正幸 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50028677)
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Keywords | 頭部MRI / 点状高信号 / 動脈硬化因子 / 大脳基底核 / DICOM画像 / グリオーシス / 血管周囲腔 / 脳皮質下虚血病変 |
Research Abstract |
現在までの頭部MRI-T2強調像における点状高信号の解釈は、厚労省における「無症候性脳血管障害の診断基準(試案)」によれば、主に大きさで分けられており、部位に関係なく、直径3mmを超えない高信号は血管周囲腔の拡大、直径3mm以上の高信号は梗塞巣である可能性が高いとされていた。これまでの本研究において直径3mmを超えない高信号の周囲には組織障害が起こっている可能性が示唆された。昨年度の研究では、大脳基底核における点状高信号と大脳白質における点状高信号では、関与する動脈硬化因子が違い、大脳基底核では糖尿病および高血圧が関与し、大脳白質では糖尿病、高血圧、高脂血症が関与していることが示唆された。本年度は頭部MRI-T2強調像における点状高信号と脳皮質下病変の危険因子に関する研究を行った。本邦において寝たきり老人は100万人を超え医療経済上も重大な問題となってきている。その原因は骨折・脳血管障害・廃用症候群・痴呆などが挙げられるが、背景には痴呆性疾患・うつ症状・転倒・尿失禁など一連の老年症候群が関与している。近年、MRIが発達して脳の微細な構造が描出可能になり、年齢とともに増大する無症候性脳梗塞や皮質下虚血病変などがこれら老年症候群に関与し得ることが明らかになってきている。しかしながらMRI上の脳皮質下虚血病変に関しては危険因子となり得る遺伝子多型、酸化ストレスを含め液性因子の解明はほとんどなされていないのが現状で有効な予防方法や治療方法が待たれるところである。
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