2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570888
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
今井 茂樹 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (00168494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉田 勉 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40278932)
業天 真之 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10319957)
梶原 康正 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60030912)
梅谷 啓二 高輝度光科学研究センター, 実験部門, 研究員(研究職)
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Keywords | 放射光 / 単色X線 / 微小血管造影 / 悪性腫瘍 / 腫瘍血管 / 抗悪性腫瘍剤 |
Research Abstract |
【目的】単色X線を用いた微小血管造影により、抗悪性腫瘍剤投与後の腫瘍微小血管の変化を視覚的、定量的に評価する。 【方法】実験モデルは、日本白色家兎の耳介に移植したVX2耳介腫瘍(移植後3日目)を用いた。微小血管造影システムは、X線源に33.3keVの単色X線を用い、検出器は撮像視野10 x 10mmのCCDカメラを用いた。造影剤は非イオン性ヨード造影剤(イオメロン400^<【○!R】>)を用いた。抗悪性腫瘍剤は、Cisplatin、Carboplatin、docetaxel hydrate、Doxorubicin HCLを用い、それぞれの薬剤を動脈内、静脈内に投与した。動注群では5分間、静注群では15分間で薬剤を投与した。投与前、投与5分後、15分後、30分後に単色X線を用いた微小血管造影を行い、画像解析ソフト(Image pro PLUS^<【○!R】>)を用いて微小血管の変化を視覚的に評価し、撮影視野内の2 x 2mmの範囲を関心領域とし、関心領域内の微小血管の面積を2値化し定量的に評価した。 【結果】抗悪性腫瘍剤投与後の微小血管は、動注群では投与5分後より、静注群では投与15分から30分後より、腫瘍内部の50〜200μmの微小血管が消失し、血管面積も減少した。各薬剤の種類、投与方法により、減少の程度は異なっていたが、Cisplatin、docetaxel hydrateを投与した際に微小血管面積は著しく減少し、有意差を認めた。 【結論】単色X線による微小血管造影は、抗悪性腫瘍剤投与後の腫瘍内部微小血管の評価に有用であった。微小血管の消失の原因としては、腫瘍細胞の浮腫や血管の収縮等が考えられるが、今後組織学的に検討する予定である。また、今回の方法は、血管新生阻害剤投与による腫瘍血管の変化も観察可能と考えられ、今後検討する予定である。
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