2004 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロンネットワーク情報伝達の基本的機能の解析-疾患モデル動物の機能変異解析法の開発-
Project/Area Number |
14570903
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
和田 一丸 弘前大学, 医学部, 教授 (60241486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼子 直 弘前大学, 医学部, 教授 (40106852)
岡田 元宏 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (10281916)
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Keywords | てんかん / 感情障害 / シナプス蛋白 / カルシウムイオンチャネル / 開口分泌 / 蛋白相互作用 / グルタミン酸 / GABA |
Research Abstract |
部分発作の二次性全般化発作への進展部位と考えられている、皮質海馬路の興奮性伝播に関わる蛋白リン酸化酵素の機能を、神経活動二次元画像解析装置optical-MED64と神経伝達物質遊離測定装置in vivo microdialysisを用いて検討した。A型蛋白リン酸化酵素(PKA)は興奮性アミノ酸glutamateの遊離を亢進し興奮性伝播を増強するが、C型蛋白リン酸化酵素(PKC)は興奮性glutamate系神経伝達よりも抑制性GABA系神経伝達を亢進し、相対的には興奮性伝播を抑制する可能性を示唆した。 神経細胞に特異的に発現する、細胞内輸送を担う蛋白であるAP3Bをコードする遺伝子のノックアウトマウス(AP3B KO)の神経伝達物質遊離をwild typeと比較検討した。AP3B KOの自発性痙攣出現頻度は80%以上であり、神経伝達物質遊離は、グルタミン酸遊離の変化は認められなかったが、GABA遊離の抑制が認められた。AP3B KOにおける、シナップス小胞にGABAを取り込む小胞性GABAトランスポーターの蛋白発現量はwild-typeと比較して変化はなかったが、シナップス小胞膜上に位置する小胞性GABAトランスポーター量の低下が認められた。即ち、小胞性GABAトランスポーターが、細胞内輸送蛋白としてのAP3Bの標的蛋白であることが明らかとなった。加えて、AP3B KOのてんかん発作焦点が海馬であることから、皮質-海馬路の情報伝達機能の解析を行ったところ、wild-typeでは皮質-海馬路の主要経路はperforant pathwayであったが、AP3B KOではtemporoammonic pathwayの異常機能亢進が認められた。これは、AP3B機能不全に伴う海馬介在神経のGABA抑制性が低下した結果、皮質-海馬路の情報伝達系機能の破綻が生じ、てんかん発作が発現するものと考えられた。
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Research Products
(8 results)