2003 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠中に出現する異常運動に起因する睡眠障害の診断治療および分子遺伝に関する研究
Project/Area Number |
14570949
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
黒田 健治 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (20170128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姫井 昭男 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
西田 勇彦 大阪医科大学, 医学部, 助手 (80330091)
江村 成就 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20247860)
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Keywords | レストレスレッグス症候群 / 周期性四肢運動障害 / 睡眠障害 / ドパミン受容体作動薬 / 分子遺伝学 / 終夜睡眠ポリソムノグラフ / セロトニン / ドパミン |
Research Abstract |
睡眠障害の人達の中で、本研究の対象疾患であるレストレスレッグス症候群(RLS)を詳細に診断するためには終夜睡眠ポリソムノグラフ(PSG)検査をおこなう必要がある。さらにRLSと診断が確定できたものの中でも、本研究の対象としたものはPSG検査で周期性下肢運動(PLMs)を同時に確認し得たものに限定した。なお診断をおこなうにあたっては睡眠障害国際分類(ICSD)に従った。診断が確定したものについては治療の導入を試みているが、選択する薬剤は第一選択薬としてドパミン受容体作動薬を投与している。本研究の目的である分子遺伝学的な面からのアプローチに関しては、ドパミン受容体作動薬が有効であるか否かにより遺伝子解析をおこなうため用いるプローブなども異なってくる。昨年度に引き続き本年度も診断の確定したものの中から、本研究の遺伝子解析について同意を得たものを対象とし採血をおこない、従来の方法に従いDNAを抽出した。本年度は昨年度と同様神経伝達物質のひとつであるセロトニン系にも焦点をあて検討を加えた。セロトニン受容体サブタイプセロトニン1A受容体は、5番染色体長腕位置し多型性が示すことが知られているが、セロトニン1A受容体遺伝子多型について正常対照群との間で、遺伝子型・遺伝子頻度を検討をおこなった。対象は睡眠障害が99名であり、睡眠障害を持たない正常対照者は76名であった。結果を第28回日本睡眠学会で報告したが、正常対照との間に有意な差は見られなかった。その後さらにRLSの対象を増やしており、睡眠障害の中でも疾患を分類し同様の検討をおこなっている。RLSは様々な基礎疾患を有していることが多く、多様因の可能性のある病態であることが考えられることから、分子遺伝学的な解析には多くの症例の集積が今後も必要である。
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[Publications] T.URAKAMI: "Levels of hypocretin-1(orexin A) in the cerebrospinal fluid of two young hypersomniacs suspected of being narcoleptic"Sleep and Biological Rhythms. Vol1. 167-168 (2003)
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[Publications] 黒田健治: "眠りすぎて困る病気(知っておきたい睡眠学)"毎日ライフ. 1月号. 58-64 (2003)
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[Publications] 浦上敬仁: "椎間板ヘルニアに合併した周期性四肢運動障害(塩酸タリペキソールの効果)"精神医学. 44・1. 49-56 (2002)
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[Publications] 西田勇彦: "Talipexoleの併用により改善した遷延性うつ病の1例"精神医学. 44・3. 288-290 (2002)
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[Publications] A.Himei: "The influence on the schizophrenic symptoms by the DRD2Ser/Cys311 and -141 CIns/Del polymorphisms"Psychiatry and Clinical Neurosciences. 56. 97-102 (2002)